黒木瞳(60)が還暦を迎え、人生の岐路に立たされている。昨秋、自身が監督を務めた映画「十二単衣を着た悪魔」(キノフィルムズ)が公開。年末年始にはPRに奔走するも、興行収入は大コケとなった。それでもめげずに「次の一手」で挑むというのである。
黒木がメガホンを取ったのはこれで3度目だ。しかし過去の「嫌な女」(16年、松竹)と短編作「わかれうた」(17年、ネスレシアター)はいずれも低評価だった。スポーツ紙芸能担当記者が言う。
「1作目は吉田羊と木村佳乃のW主演で、二人に取っ組み合いをさせるなど、女のエゴやサガをかいま見ることができましたが、作品自体は低評価で、興行収入は6200万円ほどに終わりました」
そして昨年10月20日、一矢報いるべく3作目の完成報告会が行われた。
「監督を務めた黒木はシースルーのロングワンピースで出席。10月6日に60回目の誕生日を迎えたばかりとは思えないほど艶っぽく、過去2作品の惨敗を覆すだけの仕上がりに満足しているように見えた」(前出・スポーツ紙芸能担当記者)
ところが10月28日、主演の伊藤健太郎(23)がひき逃げ事件を起こし、一転して公開は大ピンチに。
「関係者の協議の末、予定どおり11月6日に公開となり、黒木もPRのために奔走しました。時には出演番組のスタッフから『キャラ変でもしたのか』との声が漏れるほど、ニコニコ笑顔で周囲に気遣い、イメージとは異なる意外な素顔までのぞかせていた」(民放局スタッフ)
そのひとつが1月2日に放送された「浜田が豪華ゲストと専門店で新春爆買いツアー! 運が悪けりゃ自腹だSP」(日本テレビ系)である。
「浜田雅功(57)と丸山隆平(37)と一緒に爆買いするロケ番組に出演し、ドールショップに到着するなり、はしゃぎまくり。もともとアンティーク人形が好きとはいえ、歓声をあげて人形1体ずつに『こんにちは~』と挨拶。お目当ての人形には『大きくなったね~』と声をかけ、『店に来た時からずっと見られていたの』と熱い視線を向けるなど、迷言を連発していた」(前出・民放局スタッフ)
テレビ収録の現場では常に多数の女性スタッフを従えて、女王様のようなふるまいを見せる黒木とは思えないほど好感度を意識したPR活動ぶりだったのだ。ところが、興行収入は公開から2週間で約3000万円とまったく振るわず、デビュー作の半分以下。メガホンを取れば取るほど、評価は下がる一方なのだ。
過去作品の撮影スタッフから、こんなやるせない声が聞こえてきた。
「お店を借りて撮影していても、監督が予定時間を守らないんです。そのうえで『時間を気にして、いいものが作れるわけがないでしょ!』と担当スタッフをボロカスになじる。『おいおい、あなたは巨匠ですか。なら、プロデューサーに掛け合えよ』というムードが蔓延して『瞳組』はバラバラでしたね」
にもかかわらず、今回の惨敗でも意欲は衰えない。次なる一手を準備中なのだ。
「周囲は監督撤退を進言しているのですが、彼女は根っからの負けず嫌いです。莫大な予算がかかる映画ではもはや企画を通すのも難しいでしょうが、テレビドラマの監督ならと意欲を見せている。海外ではアンジェリーナ・ジョリーやメグ・ライアンらのベテラン女優が監督業に進出し、米国ではテレビドラマが映画と肩を並べるほど評価される時代ですからね。出演者の予算を抑えるため、監督兼女優としてドラマ制作に挑戦するパターンもある。映画版で監督を務めた『嫌な女』が16年にNHK BSプレミアムで、黒木主演で放送された実績もあります」(映画関係者)
みずから濡れ場を指導して、第2の「失楽園」ではいかがだろうか。