西野らしい“最後の演出”とでも言うべきか。キングコングの西野亮廣が、吉本興業を退社することが明らかになった。
きっかけは、西野と吉本の連絡をめぐるささいなトラブル。西野が吉本の担当者の仕事ぶりにブチ切れ、そのやり取りをツイッターで公表するなどしたのである。
「トラブル自体は、退社云々の話になるほどの内容ではなかったのですが、西野にとっては吉本を辞めるちょうどいい機会だったのかもしれません。西野は報道陣の取材などには“円満退社”を強調していましたが、もっと早く辞めても不思議じゃなかったほど、マネージャーが頻繁に変わることなど、現状に不満があったようです。ただ、『映画 えんとつ町のプぺル』が終わるまでは決裂するわけにはいかなかった面もあるのでは。その映画ビジネスもひと段落で、もうこれ以上、吉本の利用価値はないと判断したのでは」(吉本興業関係者)
実際、映画で何年も先まで仕事の予定が詰まっていた制作会社「スタジオ4℃」を起用できたのも、東宝の配給で全国公開という座組を組めたのも、吉本興業の後ろ盾がなければできなかったこと。映画の製作クレジットも株式会社NISHINOではなく、吉本興業になっている。また、あれだけテレビに限界を感じているような発言をしていたにもかかわらず、宣伝のためにテレビCMを打ち、吉本パワーでテレビやラジオに出まくっていたことも御存じの通り。
「最近はみずから炎上を仕掛けているフシもありましたね。評論家の岡田斗司夫氏の『プぺル』ダメ出しに過敏とも思えるほど痛烈に反応する様子を見せていました。もっとも、これに関してはネット民に見透かされていた面もあるのか、それほど話題になりませんでしたが」(前出・吉本関係者)
そんな西野は今後、「プペル」を海外に売り込みつつ、プロデューサー的立ち位置で新しいプロジェクトを立ち上げることになる。西野が運営するオンラインサロンは会費だけで年間8億4000万円の収入があるとも言われ、新しいビジネスをぶち上げるたびにクラウドファンディングで資金を投入してくれる“信者”と呼ばれるサロンメンバーがいれば食べるには困らない。また、映画以外にも吉本と作ったクラファンなどのビジネスがあり、縁が完全に切れるわけではないとの見方もある。
今回の退社騒動は、西野が信者向けに仕掛けた壮大な“炎上エンターテイメント”ということのようだ。西野の次の一手が注目されれる。
(松本大祐)