お笑い芸人から絵本作家への転身を宣言したキングコングの西野亮廣。今秋には新作絵本の『えんとつ町のプペル』を発売するが、その制作において作画担当者の権利をないがしろにしているとの批判が沸き起こっている。
西野は自身のブログにて7月1日、新作絵本で自らは「監督・脚本・絵コンテ」を担当し、実際の絵はイラストレーターの六七質氏を中心とした製作スタッフ陣が描いていることを明かした。その西野は昨年7月、フェイスブックにて「誰が作ったかなんて、本当はどうだっていい」との持論を披露していたが、その考え方に出版社の書籍担当者は大いに疑問を感じるという。
「今回の絵本では西野だけでなく、作画を担当した六七質氏も著作権を持っています。その六七質氏は自分の名前を公表する権利の『氏名表示権』を持っているので、西野が六七質氏の意向を無視して『誰が作ったかどうでもいい』と言い張るのは本来おかしな話なんですよ」
著作権法の定めによると、六七質氏は西野の意思と関係なく、自分の名前を出すかどうかを決めることができる。だが著作権についての知識がないのか、西野はとんでもないことも主張していたようだ。前出の書籍担当者があきれた様子で続ける。
「フェイスブックにて西野は『スタッフは(自分から)絶対に言わないし』と前置きした上で、作画が六七質氏であることを暴露。これは、名前を公表しない権利でもある『氏名公表権』を明らかに犯しており、著作権の軽視もはなはだしいですね」
人の権利はないがしろにしつつ、自分が監督役だということはきっちりとアピールしている西野。しかし絵本作家を名乗るからには、作画担当者の著作権を侵害することは許されないということも、しっかりと頭に叩きこんでおくべきだろう。
(金田麻有)