元プロ野球選手の新庄剛志氏といえば、阪神からMLBに渡り、日本ハムファイターズが本拠地を北海道に移し、北海道日本ハムファイターズと名称変更したタイミングで2004年にNPBに復帰。06年にはシーズン早々4月18日に同年限りでの引退を表明するも、この年、日本ハムとしては初の日本一に輝き、チームに大きく貢献した。
昨年はトライアウトに挑戦したが、しかし新庄獲得に乗り出す球団が残念ながらなく、48歳でのプロ入りを断念するなど、これまでにも数多くの話題を振りまいてきたスター選手の1人である。
元プロ野球選手の石毛宏典氏のYouTubeチャンネル〈石毛宏典TV〉に、日本ハム一筋22年、2012安打で名球会入りも果たした田中幸雄氏が出演。新庄氏との思い出を振り返る中、新庄氏の「サヨナラ満塁逆転ホームラン」の貴重な記録を泡のように消してしまったエピソードについて語った。
3月10日付けの〈【記録より記憶に残る男】新庄剛志の存在。あの事件の真相も〉とタイトルがついた投稿回を観てみると、04年9月20日の対ダイエー戦で、同点で迎えた9回裏ツーアウト満塁の場面だった。
新庄氏はみごと左翼席にホームランを放ったのだが、一塁走者の田中氏が喜びのあまり二塁の手前で新庄氏に抱きついて一回転。このため、新庄氏は前位の走者を追い越したとみなされアウトに。逆転で勝利はおさめたものの、ホームラン取り消しといった稀有なケースであった。
「勝ったという思いで頭が真っ白になってしまって…」と22年間のプロ人生でもあれだけ我を忘れるほど興奮したことがなかったと田中氏は振り返った。
名球会選手をホームベースに向かうことも忘れさせてしまうほどの劇的ホームランを演出した新庄氏のズバ抜けたスター性を再認識させてくれるような興味深い回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)