テリー 僕も橋幸夫さんとか小柳ルミ子さんと仲良くさせてもらってて、よく電話で話すんだけど、特に歌手の方は「ほんとにヤバい」「仕事がない」って言ってるよね。
さくら 演歌歌手はテレビに出たりするより、皆さんの前で歌う営業が収入のほとんどなので、それがなくなってしまったのはほんとに大きかったです。お祭りとかも全部なくなってしまったので。
テリー そういう時、芸能人はなかなかバイトするわけにもいかないもんね。
さくら ありがたいことに私は固定給だったので、何とかやっていけてたんですけど。ただ、事務所は他にもいろんなタレントを抱えていたので、かなり厳しかったと思います。
テリー そうだよなぁ。利益がないのに給料は払わなくちゃいけないんだから。前の事務所は、デビューした時からずっといたところ?
さくら はい。なので10年以上お世話になりました。
テリー その事務所が解散するって、どういう気持ちだったの?
さくら いやぁ、やっぱり一番は「この先どうしよう」だったんですけど。ただ、「個人事務所を立ち上げてやっていこうと思う」って話したら、すごく応援してくれて。「プロダクション名は何がいいんだろう」って相談した時に「さくらまやプロダクションがいいんじゃない?」って言ってくださったのも事務所なので、もう感謝しかないです。
テリー 今、「さくらまやプロダクション」はどこにあるの?
さくら いちおう事務所は新橋なんですけど、今コロナ禍なので、対応はほとんど家でやってます。
テリー 家っていうのは例の「ローン地獄」の?
さくら そうです(笑)。昨年買ったんですけど、一昨年から進めていた話で、「コロナになったからやめます」って言えないぐらい契約が進んでいて。
テリー あぁ、それで買わざるを得なかったんだ。でも、一昨年って20歳でしょ。普通はまだ親のスネをかじってる年齢だよ。一軒家?
さくら はい。でも茨城県のほうなので。
テリー いや、茨城でもすごいよ!
さくら うち、ワンちゃんが7匹いまして。さすがにマンションだと手狭だから、庭付きの家がどうしても欲しいっていう話を家族でしてたんですね。あと、私の中に「住む場所さえあれば人生は何とかなる」っていう考えがありまして。それで買うことにしたんです。
テリー そしたらコロナでローン地獄だ。
さくら はい、35年残ってます(苦笑)。
テリー ちょっと、そもそもの話も聞きたいんだけれども。プロフィールを見ると6歳の時に「全国童謡歌唱コンクール」の全国大会で優勝してますよね。なんでそんなに歌がうまかったの?
さくら もともとは両親が私にヴァイオリニストになってほしかったみたいで、ヴァイオリンやピアノ、ソルフェージュ(楽譜を読むための基礎訓練)とかを習っていたんですね。で、その一環で童謡も習うことになって。それでその大会に出ることになったんだと思います。
テリー ということはご両親も音楽家か何か?
さくら いえ。
テリー だって、ヴァイオリニストにしようとするって、かなり上品な家庭じゃない。
さくら いえ、全然普通です。ただ、私があまりにもお転婆で、ちょっとでも目を離すと大変だから、習い事をいっぱいさせたみたいですね。そうやって疲れさせるのが目的だったみたいです(笑)。