紅白、レコ大、ベストテン、トップテン、夜ヒットと、生放送の歌番組には、多くの視聴者が、あ然とした「放送事故」があった。語るのは「シブがき隊」の布川敏和だ。85年の紅白で、吉川晃司がステージにまき散らしたシャンパンのせいで2度も転倒してしまったのだが─、
「あの頃、吉川晃司とよく六本木で遊んでいたんですよ。で、晃司と2人で『今度の紅白、誰もやらないことをやっちまおうぜ』と作戦を立てたんです。まず晃司が登場時に口に含んだシャンパンをぶちまけて、あげくジッポのオイルでギターを燃やしたんです。俺たちはオイルのせいで転びそうになるのを踏ん張って踊りましたが、俺は『これは使えるぞ』と、わざと2回大げさに転びました」
ただし、吉川は長らくNHKに出禁になってしまった。日本テレビの「ザ・トップテン」も渋谷公会堂から生中継が多かったが、常連だった中森明菜の登場時に「帰れ」のコールが。司会の堺正章が「あれはダメですね」と憤慨している。
フジテレビの「夜のヒットスタジオ」では、最後の司会だった加賀まりこが炎上上等の言いたい放題。プリンセスプリンセスの奥居香には「あなたブタね。生理中じゃないの?」と言い、デビュー間もない酒井法子には「キャバに行ったら1番になれる」と言い放つ。
5月18日発売の「週刊アサヒ芸能」5月27日号では、ほかにもMステの「t.A.T.oドタキャン事件」や、忌野清志郎の「放送禁止用語事件」など、歴史的な放送事故を40連弾で網羅している。