大好評連載中の同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」第3番で、いよいよ舞台は大阪から東京へ─。
「訪日相撲体験ツアー」に参加したものの、少年ダヴァ(少年時代の白鵬・15歳)には、どこの相撲部屋からも声がかからず、失意の内に、モンゴルへの帰国寸前の身であった。そのダヴァの「運命の臼」を回したのは、2000年当時の相撲界で「技のデパート モンゴル支店」と言われ大人気だった旭鷲山その人。
「彼(旭鷲山)はモンゴルの横綱から預かった私をどの相撲部屋からも相手にされないまま、モンゴルに帰すことに忍びなかったんです」(白鵬)
モンゴルの横綱とは、即ち、白鵬翔の父、ジクジドゥ・ムンフバト。モンゴル相撲の大横綱にして、モンゴル人初の五輪メダリスト(レスリング)である国民的英雄である。「このままモンゴルの横綱の息子をモンゴルに帰したら、私たちは二度とモンゴルの地を踏めなくなる」との悲壮な決意のもと、旭鷲山は師匠である大島親方(元大関・旭國)に直談判。急転直下、宮城野部屋への入門が決まるのである。その瞬間、当時日本語が話せなかった白鵬は、モンゴル語ではなく小さい頃から習っていた英語で、
「 I don’t want to go back! (帰りたくない!)」と叫んだ。あこがれの日本で相撲をとれるようになったダヴァは涙を流して喜んだのであった。
白鵬翔を導いたのは、いくつもの重なり合った偶然と幸運の縁(えにし)。そして、生まれついての「強運の星」が“扉”をこじ開けたのである。2000年12月23日、世の中がクリスマス前で浮かれる中、少年ダヴァを乗せて新幹線は、一路、クリスマス前で浮かれる東京へと向かう。その車中で、改めためて「強運の星」に導かれたことを時間するダヴァだった─。
白鵬翔本人の監修、作画・山崎享祐でお届けする本邦初のライブ相撲マンガ「白鵬本紀」第3番「強運の星」は、5月18日発売の「週刊アサヒ芸能」5月27日号に掲載。連載いよいよ快調! はっけよい!!