落合氏は今年3月の講演会で、WBCでの絶好調ぶりを受けて、こんな「予言」をしていた。
「井端に関しては、あんなに春先に(調子が)いいやつじゃないのに、あれだけやるのがね。シーズン中ヤバいぞこいつ、と逆に心配する。(開幕前に)めいっぱい出来上がってしまった」
その不安が的中し、「オレ流冷血査定」の餌食となったのである。
そんな井端にも言い分はあるようで、その一つが手術の扱いだった。
今季、2度の二軍落ちの一因に右足首痛があったが、10月4日、井端は右足関節の骨棘除去と関節内遊離体除去手術に踏み切った。さらに12日には、右肘関節形成術と尺骨神経移行術も受け、来季に備えている。球団関係者が言う。
「このほか、過去にも受けている視力回復の手術も再度行う予定でした。ところが、落合氏の言い分は『ここ数年は故障がちで、メスも入れた。億以上のお金を出してそのリスクを球団が背負えるか、という判断』。つまり、手術した選手に大金は払えない、ということ。井端にしてみれば、手術は球団が許可し、球団の金で受けているもの。それをいまさらふざけるな、という気持ちです。とはいえ、これは落合GM体制前の前フロントがOKした手術。前体制と落合氏は関係ない、体制が変われば方針も変わる、と言われればそれまでなんでしょうけど‥‥」
10年のコンバートに始まった1400日余りに及ぶ怨念確執が両者決裂という形で遺恨を残したのだが、ナインは実質的な「井端クビ」の措置に「寂しい」「ショック」と驚きを隠さない。
「選手の中には『生え抜きに対して、あれはないでしょう』と落合氏を批判する者もいますが、実は井端はチーム内では必ずしも好かれているとは言えなかった。いまだに前時代的な体育会系のノリ全開で若手に厳しく接するので、あまり受け入れられてはいませんでした。谷繁監督にしても、プライベートのつきあいはほとんどなく、仲がよかったとは言えないんじゃないでしょうか。球団に『キャプテン料をくれ』と要求するなど、金にもうるさいイメージです」(中日グループ関係者)
突然、放り出された形の井端の今後はというと、
「落合氏と中日にはかなり怒っていますよ。『セ・リーグ(の他球団)に行って見返す』などと漏らしているようですし。実際、巨人など二遊間を強化したい複数の球団が獲得をニラんで動き、水面下で接触を図っています」(前出・球団関係者)
井端の希望がかなえば、来季は遺恨バトル第2ラウンドが展開されるだろう。