球界のレジェンドと言える元プロ野球選手の江夏豊氏。阪神時代、1971年のオールスターゲーム第1戦では、9奪連続三振といった離れ業を見せた江夏氏だが、レジェンドたらしめているエピソードの1つに、「江夏の21球」がある。広島時代、79年の近鉄との日本シリーズ第7戦、「4-3」のスコアで迎えた9回裏。リリーフに上がった江夏氏は、ノーアウト満塁のピンチを招くも、ラストバッターを空振りの三振に切って落として、ゲームセット。広島を初の日本一に導いたのだった。
その江夏氏が、主に広島で活躍した元プロ野球選手・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈カープよしひこチャンネル〉に出演。実は、この満塁のピンチ…一塁ランナーの盗塁をアウトにしようと投じたキャッチャーの球がショートバウンド。ややセカンドのカバーに入るのが遅れた高橋氏が後逸し、ノーアウト三塁とされたことに端を発しており、高橋氏が「江夏さん、あの時って正直どう思ったっすか?」と、おそるおそる訊ねている。その返答とは…?
同チャンネルの5月24日付けで〈【神回】江夏の21球!40年以上の沈黙を破り衝撃の事実が明らかに!〉と題され公開された投稿回を観ると、「バカだなぁ、ヘタだなぁって…」と、高橋氏の苦虫を噛み潰したような表情とともに、スタジオの笑いを誘った江夏氏。それでも「本当に良い経験をさせてもらいましたよね。最終的に逃げ切った、これはいろんな意味で大きな自信になりましたしね」と感慨深く振り返るとともに、「…で、よくわかったのは、バックを信頼したらダメだと」と、オチをつける一幕も見せたのだった。
当時、22歳だった高橋氏は21球の記憶がほとんどないほどに緊張していたようだ。そんな若手のミスをカバーしきった江夏氏の男気なエピソードが拝聴できる回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)