主に広島カープで活躍した元プロ野球選手・高橋慶彦氏と言えば、1974年にドラフト3位で広島入団。シーズン4年目の78年に129安打で初の100安打超えを達成すると、以後、12年連続で3ケタ安打、80年には最多安打(当時連盟表彰なし)にも輝くなど、安定した打力を誇った。
しかし一方、本塁打は1ケタでシーズンを終えることが多く、パワー不足は否めない印象だったのだが、そんな高橋氏に変化が起きたのは、83年。それまでのキャリアハイは7本だったが、この年24本塁打を放ち、以後、7年連続の2ケタ本塁打を記録したのだ。
そんな高橋氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉の、12月2日付け投稿回で当時を振り返った。それによると、臨時コーチで訪れた、ある偉大な元プロ野球選手の教えが実を結んだようだ。
その人とは、毎日オリオンズなどで活躍した、山内一弘氏(故人)。山内氏は、打点王4回、本塁打王2回、首位打者1回を獲得。「打撃の神様」と呼ばれた川上哲治氏(故人)に次いで、NPB史上2人目となる2000本安打を達成した人でもある。
「山内さんに言われたのは、タイミング、バランス、パワーって言って、何しろ早く、ゆっくりって言われた」と高橋氏は当時を述懐。これは、“早くタイミングを取ってゆっくりボールを見る”といった構えを指すようだ。早く、ゆっくり、と言えば、3度の三冠王に輝いた、落合博満氏のバッターボックスでの構えにも相通じる…。
ゲストで招かれた中日ドラゴンズの元プロ野球選手・宇野勝氏も「(高橋氏が)人が変わったように打ちましたよ。ビックリしましたよ!」と、高橋氏の当時の変貌ぶりをスタッフにアピールするように語っていた。
この年、打率「.305」、盗塁70も決めており、「今だったら(年俸)4億5000万(円)ぐらい」とも豪語した高橋氏。当時を知る広島ファンは再び胸を熱くさせたであろう、見ごたえのある回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)