マルチ商法などの悪徳業者に騙され、詐欺同然に金をむしり取られた被害者に代わって、マルチ業者と交渉して被害金を取り戻すという調査会社が今、猛威を振るっている。マルチ商法に詳しいジャーナリストが明かす。
「弁護士でもないのに、コンサルタントを名乗り、違法行為を続ける悪質な業者です。ある調査会社の例を出しましょう。この会社は関係者を通じてあらかじ詐欺被害者名簿を入手し、取り返してあげますよ、という電話を被害者宅にかける。そして相談に訪れた被害者から、まず相談料として5万円を取ります。さらに、被害金を取り戻すには調査が必要だとして、莫大な調査料を要求するのです」
それでも被害者は、多少なりとも金が戻ってくるのであれば‥‥と藁をも掴む思いで頼るのだが、この悪徳回収業者はどんどんそこにつけ込んでいく。ジャーナリストが続ける。
「マルチ業者から回収した金の半分以上は手数料名目でむしり取られる。ひどいケースでは、回収がうまくいかなかったとウソをついて、回収金を全て着服するのです」
こうした不条理にシビレを切らした被害者が警察や弁護士などに苦情、相談が殺到したことで事態が発覚。警視庁内でも問題化しており、こうした「二次ボッタクリ商法」が事件化、摘発されるのも時間の問題だろう。