阪神タイガース一筋15年、元プロ野球選手の掛布雅之氏といえば、本塁打王に3度輝くスラッガーながら、デビュー3年目の1976年から4年連続で打率3割超えをマーク。アベレージヒッターでもあった掛布氏だが、実は78年に3割を切るのでは…といったピンチが訪れた。5月10日の大洋(現DeNA)戦でプロ入り後初の頭部に死球を受けて入院。異常なく2日後には退院しているのだが、復帰しても右足を踏み込むことができなくなり、バットから快音が途絶えたのだ…。
主に阪神で活躍した元プロ野球選手、池田親興氏のYouTubeチャンネル〈池田親興のちかチャンネル!〉に、掛布氏が出演。この時の不振から、みごとな復活劇を遂げた“腹の括り方”を振り返った。
同チャンネルの6月19日付け投稿回〈【素振りのやり方】阪神タイガースの4番が教える【掛布雅之】〉を観ると、「3割3分ぐらいあった打率が、2割8分くらいまで落としちゃったわけ。もう(ボールが)怖くて」と掛布氏。間近に迫ったオールスターのファン投票での得票数も好調だったことから、「オールスターがなければいいのに…」と、なおプレッシャーに感じたと語る掛布氏だが、そこから腹を括れたのが、ミスタータイガースたるゆえんか。
「オールスターに出るためには3割に戻して出なきゃダメだ」と、覚悟を決め、オールスター前の広島カープ戦で4打数3安打。みごと3割に乗せてオールスターに出場し、第3戦では3打席連続本塁打と大活躍。シーズン終了後には打率を「.318」としたのだった。
翌年の79年には初の本塁打王に輝いた掛布氏。本人の日々のたゆまぬ努力もさることながら、前年の「腹の括り」が手繰り寄せた、野球の神様からの「ご褒美」でもあったのかもしれない。
(ユーチューブライター・所ひで)