ミスタータイガースと称された、元プロ野球選手の掛布雅之氏。本塁打王3度、打点王1度、最多出塁率2度のタイトルに輝く活躍を見せたが、1979年、初の本塁打王を獲得できたのは、巨人から阪神に移籍した、あの名投手の発言に触発されたものであったことが明かされる番組があった。
阪神タイガース、ダイエーホークスに籍を置いた元プロ野球選手・池田親興氏のYouTubeチャンネル〈たかほー 池田親興のちかチャンネル!〉、1月15日に〈桑田監督ありえる?掛布さんもびっくりした人事!〉とタイトルをつけて投稿された回でのことだ。
79年は、江川卓氏との形式的なトレードにより、故・小林繁氏が巨人から阪神に移籍した年である。小林氏は阪神ナインに向かって「阪神には歴史はあるが伝統はない。巨人にはその伝統があるんだ」と第一声を発したと振り返る掛布氏。
「バカにされたみたいで、すごく腹が立った」と語り、「その年にホームラン王を獲ったっていうのは、小林繁さんに負けたくなかったっていう意地なんだよね」と口にした。
もっとも、今ではその「伝統」を一緒に作っていこうと言う小林氏のメッセージであったことが理解でき、若気の至りだったと反省の弁も述べた掛布氏だった。
小林氏もこの年、22勝を挙げ、初の最多勝利のタイトルに輝いている。おそらくは江川氏に負けたくないとの意地であっただろう。
男と男の意地とプライドがぶつかり合った、懐かしく興味深い話が掛布氏から拝聴できた。
(ユーチューブライター・所ひで)