6月30日、元プロ野球選手・大島康徳さんが大腸がんのため、東京都内の病院で亡くなった。70歳だった。
中学まで野球未経験ながら、高校で野球部に入部するや、4番・エースとして活躍した大島さんは、1968年、ドラフト3位で中日ドラゴンズに入団。3ケタ安打するまでに9年を要する遅咲きながら、最多安打1度、本塁打王1度のタイトルにも輝いており、プロ通算24年間で2204安打と名球会入りも果たす名選手であった。
75年、ドラフト1位で中日に入団した、大島さんの後輩にあたる元プロ野球選手の田尾安志氏が、みずからのYouTubeチャンネル〈田尾安志【TAO CHANNEL】公式YouTube〉で、7月5日に〈追悼・大島康徳さん〉とのタイトルで大島さんを偲ぶ回を投稿した。88年、大島さんは当時の故・星野仙一監督のチーム改革により、日本ハムファイターズに移籍している。しかし、それが大島さんにとって、人間として成長を果たすには良かったことだと、田尾氏は「後輩ながらも」と謙遜を交えつつ語った。
そして番組最後には、5日に掲載された、『この命を生ききる』と題した大島さん最後のブログ全文を田尾氏が朗読し、時折胸を詰まらせる場面を見せながらも、「感動しました」と結んだのだった。これは、春頃に記した言葉を大島さんの奥さんが公開したようで、一文を紹介すると、
〈命には必ず終わりがある。自分にもいつかその時は訪れる。その時が俺の寿命。それが俺に与えられた運命。病気に負けたんじゃない。俺の寿命を生ききったということだ〉
大島さんのご冥福をお祈り申し上げます。
(ユーチューブライター・所ひで)