テリー その流れでいくと、1300万円の動画はちょっとテイストが違うよね。
酒井 でも、実はテーマは一貫してるんですよ。今ニューメディアとオールドメディアって言い方をするじゃないですか。で、YouTubeはニューメディアだと思うんですね。でも、私はやっぱりオールドメディアに育ててもらった人間なので。スタッフさんが誰よりも早朝に現場に入られて、もちろん、その前から何度も打ち合わせを重ねたり、その上で私たちは表現をさせてもらってる、と思うんです。
テリー スタッフは演者が帰ったあとに撤収作業があったり、もっと言えば編集もあるしね。
酒井 そうなんですよね。そういう皆さんの思いがあって、ひとつの素晴らしい作品を残してきたのがオールドメディアだったと思うので、そこで育ててもらった人間としては、その火を消したくないというか。すごく大変なのは重々承知なんですけど、やっぱりその素晴らしさやすごさ、熱意を見ていただきたいなって。クオリティを落とさず、本物の作品を作り続けたら、きっと届くはずだと思うんですよね。
テリー なるほどね。それで、お金をかけて、ああいう映像を作ったわけだ。ものすごく意識が高いよね。
酒井 ありがとうございます。
テリー もちろん、それは素晴らしいと思うけど、もう少し気楽な動画は作らないの? ほら、高級料理もいいけど、時にはB級グルメも食べたいじゃない。
酒井 わかります。
テリー だから俺なんかは、「なぜ酒井法子はいつまでもきれいなんだ」って動画も見たいけどね。最初からずっと思ってたけど、「なぜ酒井法子は座ってる時の姿勢がこんなにいいんだ」とかさ。
酒井 アハハハ。
テリー 何かやってるの?
酒井 筋トレとかダンスとかボイトレとか、とにかく体を動かすことは、ほぼ毎日してますね。
テリー だったら、俺はのりピーが筋トレしてるところも見たいけどな。割れた腹筋とかさ。
酒井 腹筋はなかなか割れないから、見せられないんです(笑)。
テリー いやぁ、だったら「なかなか腹筋が割れない」って言ってるのりピーでいいじゃない。美容や健康に気を遣って食べてるものの紹介でも、人生観を語ったっていいしさ。
酒井 そうなんですかね。
テリー たぶん、スタッフがのりピーと仕事できるからって、うれしくて気合いが入りすぎてるんだよ。でも俺もやってるけど、YouTubeって長旅だから。あんまり気合い入れすぎると長続きしないと思うんだけどな。
酒井 貴重なご意見です。
テリー YouTubeを始めたのは、8年間いた事務所を辞めて、個人事務所を立ち上げたのも関係してるんだよね。独立したのはどんな理由だったの?
酒井 私、21歳の息子がいるんですけど、息子が成人して肩の荷が下りたというか、自分自身にもうちょっと向き合ってもいいかなって思ったんですね。それで独立して新しいことにチャレンジしてもいいかなって。
テリー のりピーはいくつになったんだっけ。
酒井 もう半世紀も生きてます(笑)。
テリー そうか。何か意識は変わった?
酒井 私も50歳を過ぎるんだなって。40代の時はあんまり年齢を感じてなかったんですけど、やっぱり50になると下っ腹に来るというか「おっ、50か」みたいな。
テリー ふーん。それって具体的にのりピーの中でどんな変化があったんだろう。だって、まだのりピー語は使ってるんでしょ。
酒井 そうですね(笑)。でも、皆さんの気分を害しちゃいけないので、なるべく少なめにはしてますね。