白鵬が語る。
「名古屋場所では『チーム白鵬』で戦いました。まず、同じ宮城野部屋の石浦(いしうら)が土俵入りの露払いを務めてくれました。本来、幕下以下の力士が務める付け人に、十両の炎鵬(えんほう)が志願して、サポートしてくれました。そして、もう一人の内弟子である幕下の北青鵬(ほくせいほう)が全勝優勝で、来場所の十両入りを決めてくれました。内弟子たちの後押しが大いに力になった場所でした」
なるほど、名古屋場所では、白鵬の取組の後、引き上げる白鵬の前に、マスクをつけた炎鵬の姿があった。白鵬軍団を思わせるワンシーンである。
V45への反響がかまびすしい2021年七月場所であったが、ライブ相撲マンガ「白鵬本紀」は、20年を遡り、2001年7月、同じく名古屋場所から始まる。序ノ口2場所目、16枚目で負け越し(3勝4敗)、2枚下がって迎えた東序ノ口18枚目で、迎えた初日。対戦相手は、先場所(2001年五月場所)、相撲人生のスタートで黒星をつけられた隆古川(たかふるかわ)。因縁の相手に、白鵬はみごと、寄り切りで雪辱を果たすのであった…。
この七月場所は5勝2敗とリベンジ。九月場所でも、東序二段97枚目で、5勝2敗の勝ち越し。1年納めで迎えた11月九州場所でも4勝3敗で勝ち越しを決める!
こうなってくると、部屋の兄弟子たちも黙っちゃいない。目の色を変えて、本気で白鵬にぶつかってくる。来る日も来る日も、地獄の稽古が続く。
「朝が来てくれるな」と泣き、始まってしまう稽古の余りの辛さに泣いた白鵬が、当時を振り返り、言葉を紡ぐ…。
ページ冒頭には、白鵬自身が語る「名古屋場所秘話」がたっぷりと総括されている。目が離せない同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」の第14番「モンゴルに続く空」は、8月3日発売の「週刊アサヒ芸能」8月12・19日合併号に掲載。はっけよい!!