テリー 他に今、気になってるのは、どんなことですか。
前田 やっぱり日本人はもっと政治に目を向けるべきですね。日本人って情報に対して鎖国状態なんですよ。マスメディアも悪いんですけど、例えばテレビで芸人やタレントが政治の解説をするでしょう。彼らはプロデューサーに「こういうことを言わないでください」「不安を煽らないでください」って言われたら、その通りにするんですよ。だから、そういう場にはちゃんとした専門家が出て、知見を述べるべきなんです。プロデューサーは余計な口出しをせず、まず正確な情報を伝えないと。その情報を不安に思うかどうかは、国民が考えることなんですよ。
テリー それはそうですね。
前田 今は日本のテレビを見ようが、新聞を読もうが、どれも内容はまったく同じですよ。自分は今、ロイターやAPの翻訳を読んでますが、はるかに日本の状況がわかりますよ。
テリー なるほど。
前田 で、情報の精査をして政治に興味を持ったら、選挙に行くべきです。組織票だとか、世襲政治家だとかに惑わされずに暮らさないと、日本はどんどんダメになりますよ。あと、これも本に書きましたが、南海トラフ地震。
テリー けっこうなページ数を割いてましたね。
前田 これは学者が必ず来るって言ってるんですから、絶対に備えないとダメなんです。戦争並みの死者と破壊を国家にもたらすんですから。借金をしてでも国土強靱化計画を果たして、数十万人単位の死者を1人でも減らさないと。
テリー その通りですね。
前田 今のままで南海トラフ地震が来たら、日本の経済規模がどこまで破壊されるかといえば、フィリピンぐらいになっちゃうんですよ。GDP(国内総生産)570兆円が40兆円に、です。そうなったら終わりですから。土木学会の被害想定を読んでください。「こういう国土強靱化計画をすれば、復興可能な被害で終わります。しなかったら復興はできません」って、はっきり書いてますよ。それなのに政治家は何もしない。ほんとに、あいつら全員、人殺しですよ。国民が10万人死のうが20万人死のうが、何とも思ってないんです。
テリー うーん。
前田 で、ここからは前田日明の勝手な見解ですけど、土木学会は南海トラフ地震で33万人の死者が出ると想定しています。行方不明や傷病者を含めれば、その10倍でしょう。そうなると、まず、あちこちのインフラが壊れます。世界中から救援隊が来ても救援物資が届かない。33万人の死体は2週間もすれば伝染病のもとになりますよ。その時に、もし中国がそれを戦略的なチャンスと捉えて、何かするつもりがあれば、WHOと組んで貿易と自国民の保護を名目にして、日本に人民解放軍を大挙させますよ。
テリー あぁ。
前田 そうなったら日本はどうするんですか。アメリカ本軍が来るまでに3週間かかりますよ。救援物資はひと月届かない。下手したら日本は戦場になりますよ。
テリー 現実にあり得ますよね。
前田 南海トラフ地震では伊豆半島、静岡、伊勢、和歌山南部、高知県などは、3分以内に34メートルの津波が来るんです。しかも被害想定の時刻は深夜とか早朝ですよ。これ昼間だったら大阪の梅田の地下街は15万人います。さんちかタウンも名古屋の栄も10万人ぐらいいますよ。みんな地下街にいたら逃げられない。あっという間に埋没ですよ。
テリー 絶望的ですね。
前田 その上、今の日本は温暖化の影響でとんでもない巨大台風が毎年2つ3つ上陸します。南海トラフ後は、その台風が来るたびに、さらに数万人単位で死者が出るんです。なのに、なんで政府は何もしないんですか。おかしいでしょう。今の政治家はほんとに何も考えてないと思いますね。
◆テリーからひと言
南海トラフ地震は俺も気になってるし、怖いんだよな。前田さんに新しい党を作ってもらって、もっと訴えてほしいけどね。