「3度の飯より江戸が好き♪」
毎回、こう唱えて自身のYouTubeチャンネル〈ほーりーとお江戸、いいね!〉の投稿回を始めるのは、女優にして、「お江戸系ユーチューバー」を自称する、堀口茉純だ。
堀口は、2007年に放送された北大路欣也主演のテレビ時代劇「八州廻り桑山十兵衛~捕物控ぶらり旅」(テレビ朝日系)で女優デビュー。その翌年には、江戸文化歴史検定1級に史上最年少の25歳で合格する(当時、合格率5.0%)という異色の経歴の持ち主だ。
現在は女優、タレント業の傍ら、YouTubeの投稿にも力を入れており、2011年4月開設という、決して昨今の流行りに乗ったユーチューバーではないことからも、「お江戸文化」を伝えたい彼女の真摯な意気込みが伝わってくるというものだ。
8月6日現在で約78万人という、同チャンネルで最も視聴回数を稼いでいる動画は、今年2月19日の投稿回〈江戸の一日~長屋ぐらしの男子の場合~〉。江戸時代、長屋の男性は朝起きると、まず湯屋に足を運んで体を清めたり、歯を磨いたり、さらには「切り石」なる石でアンダーヘアなどムダ毛の処理を行ってから仕事に向かっていたといったウンチクを披露した。
また、江戸で人気の職業として紹介された大工は、日当が現在に換算して約6250円(以下、金額は同様に換算した数字)と決して高い報酬ではないが、長屋の月の家賃が6000円だったこと、また弁当代として別途1500円ほどを支給されることも、説明を加えながら番組は進行(「文政年間漫録」よりと記載あり)された。
視聴者から〈超勉強になります。歴史が好きで欧州は色々沢山あるのですが、江戸を深く知れるので有難いです。応援しております。〉〈内容がとても面白く、声が素晴らしいですね、即チャンネル登録しました〉〈初めてでしたが大変面白いので登録しました。〉といった称賛コメントが相次いだのだった。
3度のメシより好き…になるかは別としても、コロナ禍で落ち着かない日常を忘れて、江戸時代にタイムスリップしたようなひとときを過ごすのも悪くないかも。
(ユーチューブライター・所ひで)