しかし、実力だけで大役を射止められるほど、テレビ業界は甘くはない。しかるべき後ろ盾がいなければ、そうそうチャンスは巡ってこない。
渡辺アナの場合もそうだった。今回の大抜擢の裏に、「テレ朝の女帝」の存在がささやかれているのだ。テレ朝関係者が声を潜めて、次のように証言する。
「あの大下容子アナ(51)に、ことのほか目をかけてもらっている。いわば『秘蔵っ娘』でした。渡辺アナが『大下容子ワイド!スクランブル』のニュースフラッシュを担当できたのも、『女帝』の意向だったと言われているほどです」
大下アナが「女帝」と呼ばれるのは、昨年の人事で役員待遇のエグゼクティブアナウンサーに昇進したことに起因している。
「役員待遇ですから、序列としてはアナウンス部長よりも上です。人事権まではないものの、影響力は計り知れません。大下アナは早河洋会長(77)とのホットラインがあるとさえ言われていて、周囲は当然のように忖度します。『ワイド!スクランブル』では、チーフプロデューサーでさえ番組内容などで逐一、大下アナにお伺いを立てるぐらいです。大越キャスター起用が決まった直後から、渡辺アナの抜擢が浮上していたのですが、『女帝の根回しがあったな』と、局内でやっかみの声が上がっていました」(テレ朝関係者)
嫉妬されるほどの寵愛を受けるのも、当然ながら渡辺アナの努力があったればこそなのだが、それだけではないようだ。番組スタッフはこう分析する。
「大下アナは、若い頃の自分と渡辺アナを重ね合わせているのではないでしょうか。大下アナの同期入社に丸川珠代五輪相(50)がいました。丸川氏は東大卒の才媛として報道番組に対応する一方で、バラエティー番組でも重宝される女子アナでした。その陰に隠れるような若手時代を、大下アナは過ごしていました。最近までの渡辺アナにそっくりな境遇だったのです」
渡辺アナの同期には、安藤萌々アナ(24)という、断トツのスーパールーキーが存在する。入社式当日の20年4月1日早朝に番組デビューを飾り、今春からは「報ステ」のスポーツコーナーに一足先に抜擢された。露出度でも知名度でも、渡辺アナは安藤アナの後塵を拝してきたのだが、
「同じ『テレ朝アスク』に通う成蹊大の同級生でありながら、2人は真逆の経歴を辿ってきました。安藤アナは付属校から内部進学し、ゴルフ部主将として専門誌のグラビアを飾り、大学生キャスターとしても脚光を集めた。片や渡辺アナは地方出身。ミスコンの準グランプリしかり、自分を磨くことでチャンスを勝ち取っていった。入社後もしばらくは安藤アナに水をあけられてきたが、そんな境遇にあっても渡辺アナはフテ腐れることなく、コツコツと努力してきた。そんな姿が、大下アナの目に留まったというわけです」(テレ朝関係者)