美女アナのフリー転向が珍しくなくなった昨今、水面下では売れっ子を巡るさまざまな思惑が渦巻いている。これまで、一本釣りを狙うプロダクションが主役だったが、その様相は一変。売り手市場ならではの、人気アナたちのしたたかな戦略も見え隠れするのだ。
局アナからフリーアナへ。この流れを後押ししているのは、テレビ局を取り巻く厳しい経営環境にある。かつて高収入業種の一つと言われていたテレビ業界も今は昔。そうした中、美女アナがフリー転身に傾く理由の一つに「収入アップの誘惑」がある。
「実は各局アナの給料は頭打ちの状態です。もともと民放が高くてNHKが安いといわれていた給与水準が今や逆転。とりわけ、離脱が止まらないTBSや視聴率3冠の常連である日テレも、これまでの人件費の圧縮でアナウンサーが疲弊しており、制作スタッフの間でも話題に上がるほどです」(制作会社関係者)
さらにここにきて、フリー転身組の成功パターンも多様化。中でも14年にTBSを退社し、昨年ファースト写真集を大ヒットさせた田中みな実(33)は「局アナ時代の20倍以上」と言われる荒稼ぎをしているほど。ご褒美とばかりに、CM出演料も国内トップクラスとなる1本3000万円にまで高騰し、今や独立を志す美女アナの憧れのマトとなった。
そんな中、テレビ業界では、彼女たちの「退社・独立」を巡る駆け引きがかつてなくヒートアップしている。
とりわけ動向に注目が集まっているのが、昨年の「好きな女性アナウンサー」ナンバーワンに輝いたテレビ朝日・弘中綾香アナ(29)だ。テレビ局関係者が語る。
「自他ともに認めるスーパーロリ顔の弘中アナも、来年2月には30歳を迎えます。彼女は数年前から周囲に独立願望を赤裸々に語っているほどで、本人としては人気絶頂のうちに、一日でも早くフリー転身したいのが本心ではないでしょうか」
一方でテレ朝としては彼女に「まだ辞められるわけにはいかない切実な事情」があるのも衆目の一致するところ。なにしろ、女子アナの絶対数が少ないのだ。テレビ局関係者が続ける。
「昨年から宇賀なつみ(34)、小川彩佳(35)、竹内由恵(34)と看板アナがこぞって退社してしまい、完全に『弘中一強』の状態。局内で『最も視聴率に貢献している社員』と呼ばれているぐらいです。今、弘中アナに辞められても代わりの人材がいないのが実情です。同局の大物プロデューサーも『若手有望株の斎藤ちはる(23)がエースに成長するまでは弘中に残ってもらわないと困る』と嘆いていました」
さらにテレビ朝日は、サイバーエージェントが出資するAbemaTVとの提携関係も、人手不足に拍車をかける結果となっている。
こうした状況から弘中アナに対し、必死ともいえる数々の「引き止め工作」が講じられているのだ。
「できるだけ彼女の機嫌を損ねないよう、社外からオファーが来た仕事も弘中アナが好きにやっていい異例の扱い。昨年はフジ系列であるニッポン放送の『オールナイトニッポン0』のパーソナリティを務めたほか、今年8月21日発売の雑誌『BRODY』では初の表紙モデルを担当するなど社外活動に励んでいます」(テレビ朝日社員)
これまで“鎖国路線”をとってきたテレビ朝日もついに、弘中アナのご意向に添わなければいけないほど、せっぱ詰まっているのだ。