適応障害を理由に、主演ドラマ「推しの王子様」(フジテレビ系)を降板した深田恭子に代わり、比嘉愛未が無事に大役を務めた。残念ながら視聴率は低空飛行となったものの、芸能界には隠れた交代劇が山ほどある。古参のシナリオライターが言う。
「夏目雅子さんの出世作で、『ナメたらいかんぜよ!』のセリフも流行語になった映画『鬼龍院花子の生涯』(82年、東映)は、もともと大竹しのぶが主演の予定だった。ところが、東映の撮影所は怖いと言い出して降板。このことに憤慨した監督や脚本家の執念で、ヒット作になりました」
ブレイクの陰にはピンチヒッターあり。ドラマの世界では数多いと、さる映像プロデューサーは言う。
「常盤貴子がブレイクした『悪魔のKISS』(93年、フジテレビ系)は、当初、松雪泰子が演じる予定でした。ところが、伝説となった大胆場面があるために辞退。また『高校教師』(92年、TBS系)でヒロインの女子高生を演じた桜井幸子も、予定されていた観月ありさが父親との禁断場面があるため、断ったことでチャンスをつかみました」
予想外のヒット作となった「ショムニ」(98年、フジテレビ系)は、すかさず松竹で映画化が決定。ところが、ドラマ主演の江角マキコが「聞いてないよ~」の状態で、映画出演を拒否。代わりに高島礼子が主演を務めたが、惨憺たる興行成績に終わる。女優ではないが、シーズン9まで続く「孤独のグルメ」(テレビ東京系)が松重豊でなく、当初は長嶋一茂で企画されたという意外な事実もある。
9月21日発売の「週刊アサヒ芸能」9月30日号では、こうした芸能史の衝撃の秘話をカラーグラビアで特集している。