KKコンビと呼ばれたPL学園の清原和博氏、桑田真澄氏(現・巨人1軍投手チーフコーチ)など、甲子園は数々のヒーローを生みだしてきた。今シーズン限りでユニフォームを脱いだ日本ハムの斎藤佑樹氏もその1人。「ハンカチ王子」なる言葉も世に巻き起こったが、爽やかなルックスからアイドル的人気を誇った甲子園球児と言えば、この人を忘れてはいけないだろう。
斎藤と同じく、早稲田実業高校出身の元プロ野球選手・荒木大輔氏である。1980年の夏の甲子園では、1年生ながら初戦の北陽高校戦を含め5試合に先発し、準優勝に導く活躍。女性ファンから絶大なる人気を得て、移動バスや練習グラウンド周辺を多くの女性ファンが取り囲むなど、男子諸兄にとってうらやましい光景を報道で目にしたものだ。
しかしながら、プロ野球のOBが1300人が所属している「プロ野球OBクラブ」のYouTubeチャンネル〈プロ野球OBクラブチャンネル〉の12月4日付け投稿回に出演した際、荒木氏は、「大ちゃんフィーバー」当時の意外な心境を振り返っている。
たとえば、高校生なのであるはずもないサインを書けとせがまれたり、アカの他人に制服の首もとあたりを突然引っ張られたり、女性ファンを含め「周りの人が怖かった」そうだ。しかも前述の北陽高校戦終了直後から、宿舎に向かうバスの周りにファンが押しかけ、状況が一変していたという。
「わずか数時間」で、「世界が変わってしまった」と言う荒木氏の戸惑いが伝わってくる話であった。
ちなみに、80年生まれの男の子の名前ランキング第1位は堂々の「大輔」であり、荒木氏のある女性ファンがこの年に出産した自身の我が子に大輔と命名。後にこの男児が甲子園で大活躍し、「平成の怪物」の異名も取った松坂大輔なのは有名な話。
今シーズン限りでそれぞれ引退した松坂、荒木氏両名の「大輔ペアショット」も同チャンネルで観てみたい。
(ユーチューブライター・所ひで)