今季限りでユニフォームを脱いだ元日本ハムの斎藤佑樹氏。高校卒業後は早大に進み、六大学野球で活躍するも、ドラフト1位で入団した日本ハムでは、2011年のルーキーイヤーに記録した6勝が自身キャリアハイで、プロ通算15勝で幕を閉じた。甘い世界ではないにせよ、プロで活躍できなかった裏には、何か理由となるものがあったのだろうか?
そんな疑問について考えさせられる動画があった。斎藤氏にとって、同じく早稲田実業高の先輩にあたり、甲子園では、甘いマスクから斎藤氏に勝るとも劣らぬアイドル的人気を誇った元プロ野球選手の荒木大輔氏が出演した、プロ野球OBが1300人所属している「プロ野球OBクラブ」のYouTubeチャンネル〈プロ野球OBクラブチャンネル〉の12月8日付け投稿回だ。
2018年、日本ハムの二軍監督に就任した荒木氏は、偶然にして斎藤氏と同じく一軍投手コーチを務めていた今季限りでの退団が発表されたが、当然ながら斎藤氏にも投球の指導をする機会が何度となくあったという。しかし、この動画によると、しかしながら、最後まで聞き入れてもらえなかった事柄があったようだ。
自身同様、斎藤氏も豪速球でおさえるタイプではないことを前置きした荒木氏。ボール球で誘うと打たれてしまう、もしくは見逃されてボールカウントが増えてしまうことから、ストライクゾーンで勝負することを指摘したという。しかし─、「改善されなかったですね。スタイルとして持っているので、染みついているものがなかなか抜けなかったですね…」と言いながら荒木氏は首を横に振った。小学生の頃からストライクゾーンで勝負してきたという荒木氏と比べ、高校、大学時代にはストレートが走っていた印象が残る斎藤氏には、最後まで響かなかったようだ。
言葉を選んでも伝わらぬコーチの難しさも口にした荒木氏の指摘を生かしてプロ生活で快投を見せる斎藤を1日でも長く見たかった…そんな感慨深い思いにさせられた。
(ユーチューブライター・所ひで)