ロッテ時代に3度の三冠王に輝いた元プロ野球選手・落合博満氏。落合氏と言えば神主打法、バッターボックスではピッチャー方向に大きく踏み込むスタイルよりも、アウトステップでクルリと回転し、鮮やかに打ち放つスタイルが印象的なのだが、その打法に辿りつくには、理由があったようだ…。
それを明かしたのは、槙原寛己氏、斎藤雅樹氏、桑田真澄氏の「巨人三本柱」をはじめ主に1990年代の巨人投手陣をリードして活躍した元プロ野球選手・村田真一氏。巨人、MLBで活躍した元プロ野球選手・上原浩治氏のYouTubeチャンネル〈上原浩治の雑談魂〉の、12月10日付け投稿回に出演してのこと。
94年、落合氏が中日から巨人に移籍すると、村田氏はキャンプの際に真っ先に落合氏の部屋を訪れ、「アウトステップしたほうが打ちやすいんですか?」と、打撃のコツについて訊ねた。すると、落合氏は「オレも昔は普通にステップしてた。顔のあたりに(ボールが)来られすぎて…」と、以前はピッチャーに向かって真っ直ぐステップしていたが、死球から逃れるための苦肉の策であったと答えたそうだ。
バッターボックスで体が開いているように見えても、スイングで踏み込む際に「肩さえピッチャーに向っていけば打てる」とも語っていたという。
そして、村田氏、「長嶋さんもそう言ってた。アウトステップしても、『肩だけ、村田、肩だけや!』って」と当時、監督を務めていた長嶋茂雄氏からも落合氏同様の見解で打撃指導を受けていたことを振り返ったのだった。
昨今とは違い、「死球」も投球術の1つと考えられていた時代。強打者ゆえ、長嶋氏、落合氏ともに苦労の末に編み出されたのであろう、肩の重要性を説くバッティング技術。村田氏から興味深い話が拝聴できた。
(ユーチューブライター・所ひで)