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事故が多発している横断歩道があります。東京・世田谷区の池尻大橋駅近く、国道246号線沿いの横断歩道なのですが、車の信号無視による死亡事故が一度ならず起きています。なのに全く改善されず、何度も事故が繰り返される。これこそ国の仕事ではないでしょうか。なぜ放置するのか、理解できません。
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ニュースでよく見るように、事故が起きて気付く危険道路は全国に数多存在し、社会問題化しています。
まず、道に関することは国土交通省、国交省への陳情になります。ただ、国交省にはそういった陳情があちらこちらから届くため、すぐさま声を拾い上げてくれないこともあるでしょう。であれば、国会議員の出番です。世田谷区池尻だと、東京5区でしょうか。自民党の5区は万博担当大臣の若宮健嗣さんですね。若宮さんにこの陳情を届け、国土交通省と交渉してもらうことになりますが、一個人のみの陳情だと後回しになってしまうかもしれません。その場合、町内会の声を集めてから上にあげるのが効果的でしょう。
そもそも死亡事故が何度か起きているのに警察が先に動いていないなんて、おかしいわけです。見張りの警察官を常駐させることができないのはまだ理解できるとして、この陳情者が言うには、
「信号機が短い距離で2基あり、車が1基目を通り越したら2基目が死角に入って見落としてしまいがちな横断歩道なんです」
つまり信号機の問題ですね。ケースバイケースですが、交通信号機1基あたりの設置費用はおよそ500万円と聞いております。そこだけでなく、次の信号機や歩道を整備したりとなると、予算が大変なのもわかります。とはいえ、これを調整するのが国会議員の仕事。僕が議員時代、かつて幹事長をやっていた重鎮が電話で「あの信号の件、ちゃんとやっといたよ」と話していたのを耳にしました。幹事長クラスでも信号機のことで動いているんだ、と思ったものです。
ちなみに僕は踏切の高架化に関する陳情を受けて、国交省とやりとりをしたことがありました。いわゆる「開かずの踏切」問題です。しかも厄介なことに、町の人たちの意見が二分していて、改善してほしいと言いながら、高架化すると今度は人がたくさん通るから嫌だ、という反対派がいて、まとめるのが大変でした。ある程度、意見書がまとまった段階で市長へ届け、市長と一緒に国交省のお偉いさんのところへ。そこで「まずは小さい予算の調査費をつけましょう」とスタートすることができます。今も進行形で、実現するまではまた時間がかかりますが、調査費がついたらもう勝算ありです。
今回の問題は、246号線の構造上の問題もあるでしょうから、僕がやったように調査費をつけてもらうのがいいでしょうね。町内会長や自治会長から働きかけて、大勢の声として届ける。
ちなみに、自分が住む地域の自治会長は誰なのか、みなさん知ってますか。自治会長などとは無縁、と思わず、もしもの時に相談できるよう、そこから把握することをおすすめします。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。