荻原氏が語る。
「消費税が上がるからとまとめ買いをする人がいます。しかし、歯磨き粉も1個しかなければ最後まで使いますが、1ダースあれば大量に消費してしまう人が多いのです。それは3%以上のロスにつながります。そこを注意しないと、買いだめしても増税分を超えてしまうのです」
日々口にする生鮮食品に関しては、まとめ買いをしても腐ってしまう。そこで活用したいのが情報である。
「多くのスーパーのチラシが一読できるチラシサイトがあります。それを見ると、自宅周辺でいちばん安いところがわかります。家族全員で利用すれば、勤務先などにある安いところを探せます。ガソリンなども地域でいちばん安い店を紹介するサイトがあります。給料が上がることが期待できない今、そうしてコツコツと防衛するしかないのです」(前出・荻原氏)
また、あえて駆け込み購入をすることで、結果的に安くすることができる品物もあるという。エコノミストが語る。
「エコカーです。地方都市では車は必需品なので、ガソリン代にかかる消費税は深刻な問題です。3月は決算期で、車の値引率がいい時期です。エコカーは車体価格が高く、なかなか燃費で相殺できないと言われていましたが、燃料も3%増税するのですから、安い時期に車体を買って燃料代で相殺するというのはいい手段でしょう」
増税後に予想される消費の冷え込みが、これまでの減税策の復活につながる可能性もあるという。まずは渡邉氏が解説する。
「増税後最初の段階で、景気にダメージが起きるとは思います。4~6月期くらいがマイナスになって、7~9月くらいにプラスに持っていければいい、というのが政府の見込みです。マイナス期の状況を見ながら、追加の経済対策も政府は準備をしているようです」
増税によって見込まれる税収は8兆円と言われている。そのうち5兆円が景気対策に使われるのだが、さらに2兆円が緊急対策費として見込まれているという。ある与党議員が語る。
「あまりに消費が冷え込んだ場合、緊急にエコポイントを復活させたり、エコカーに対する減税を行う計画があるようです。今それを発表すると逆に買い控えが増え消費が冷え込むので、あくまで4~6月の景気状況を見てからということになりますが‥‥」
増税前の今だからこそ、買い焦るより買い控えるほうが賢いと言えるようだ。