何となく景気高揚気分に流されつつあった「アベノミクス」が、いよいよデタラメだったと断言できる材料が判明した。「ダミー」まで駆使した狡猾なやり口で、奇想天外な新課税を次々と考案。ダマシ討ちのような「大増税計画」を実行に移し、国民を搾取地獄に陥れようとしているのである。
携帯電話やパチンコを標的としたトンデモ新税の創設計画が自民党内で秘かに検討されている──。
こんな衝撃的なニュースが飛び込んできたのは、先月下旬のことだった。
増税といえば、今年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたばかり。来年10月には10%へのさらなる引き上げが予定されているだけに、国民の間には「どのツラ下げて」との怨嗟と怒りの声が、燎原の火のごとく広がり始めている。
スマホを含めた携帯電話新税の震源地は、6月18日に発足した「携帯電話問題懇話会」。自民党の有志議員で作る議連のひとつで、中山泰秀衆院議員(43)が会長を務めているが、その設立総会で「この際、携帯電話に課税してみてはどうか」との案が提起されたというのだ。
「懇話会の後見人は党税制調査会会長を務める野田毅氏(72)ですが、会の面々の中にはその後の反響の大きさに戸惑いを見せる者も。ただ、党青年局次長も務める中山氏は確信犯。昨年、沖縄のローカルメディアのインタビューに答えて、『課税規模はケータイ1台につき月額100円でもいいし、1000円でもいい』などと、滔々(とうとう)と自説を披露していたくらいですからね」(自民党青年局幹部)
日本における携帯電話の契約台数は約1億4000万台。1台あたり月1000円の課税なら、税収額は年間約1兆6800億円にも達する。電波利用料、ユニバーサルサービス料、消費税など、目下、お上がハネている徴収金をはるかに上回る大増税となるのだ。
一方、パチンコ新税の震源地は、今年2月に発足した「時代に適した風営法を求める会」。会長の保岡興治元法相(75)のほか、高村正彦副総裁(72)、先の野田氏など、そうそうたる顔ぶれの有力議連だが、ケータイ新税とともに急浮上してきたこの新税もまた、トンデモ度では引けを取らないシロモノなのである。
「求める会の前身は遊技業振興議連、いわゆる『パチンコ議連』です。今回検討されているのは、パチンコ店が客の出玉をみずから換金することを合法化したうえで、客が受け取る現金からその数%にあたる金額を新税として徴収しようというもの。最大のキモはパチンコ店ではなく客に課税するという点で、税収額は税率1%につき年2000億円を見込んでいます」(自民党執行部関係者)
パチンコやパチスロで負け続けた末、ようやく積み上げたドル箱から、何もしないお上がテラ銭をかすめ取っていく‥‥。このあまりにも虫のいい新税案に対しては、身内である自民党内からも自嘲交じりの声が上がっている。
「店は客の負け分で儲けている。だからパチンコ新税というなら、店に課税するのが筋。これではヤクザが闇営業しているノミ屋よりタチが悪い‥‥」
ノミ屋ですら「全敗の客には1割バック」が通り相場である。