4月からの消費税増税で、庶民のフトコロはまたまた大打撃を受ける。しかし増税になったからといって、日々の生活は「買い物」なしには成り立たない。霞を食っては生きていけないのだ。そこで倹約もさることながら、どうしてもサイフから出て行く出費を何とか少しでも浮かす方法はないものか。
クレジットカードを使って買い物をするとその額に応じて、銀行系クレカで0.5%程度のポイントが付くことはよく知られている。クレカのポイントは請求額から差し引かれたり、ギフトカードに替えたりしてカードホルダーに還元される仕組みだ。
信用払いそのものを嫌ったり、「0.5%なんてたいしたことない、そもそもチマチマした額で面倒だ」と考える向きも多いが、チリも積もれば山となる。公共料金や日々の買い物の払いをクレカに集約することで、年間数万円分の還元を手にしているツワモノもいるのだ。
ひところ貸金業法と割賦販売法の改正や、不景気の影響で、いわゆる「高還元率クレカ」が絶滅したかに見えたクレジット業界だが、ここにきて還元率を高めに設定するカードがでてきている。
たとえば、三菱UFJニコスが発行するリボ払いカードの「DC Jizailカード」は、従来1%還元だったものを先ごろ1.5%に増やした。
還元率アップの背景には、リクルートがJCBと提携して鳴り物入りで新規発行した「リクルートカード」が、系列モールでしか使用できないポイントとはいえ2%還元を打ち出したり、巨大ネットショッピングモールの「楽天市場」で使うと2%のポイント還元になるとうたう「楽天カード」が、大幅加入者増を果たしたりしたことがある。
クレジットカードも発行するある信販会社関係者が言う。
「クレジットカード会社の顧客獲得競争が激しくなってきています。とくに大手ネット通販の提携クレカが熱いです。CM大攻勢をかけた楽天に追いつけとばかりにYahoo!ショッピングがJCB提携のクレカを新規発行しました。このカードは、CCCのTポイントが貯まるカードです。ポイントはコンビニで使ったり、航空会社のマイルに替える人も多いですね」
また、1月の末、満を持してネット通販業界シェアトップのAmazonが、三井住友カードと提携して「Amazonカード」の新規募集を発表した。クラシックカード(1.5%)とゴールドカード(2%)の2種類で、ゴールドには、速達配送や配送料を優遇される「プライム会員権」がついている。
「ポイントサイト経由などのトクになるルートがあまりなかったAmazonのヘビーユーザーにとっては朗報でしょう。ライバルの楽天やYahoo!の顧客囲い込み攻勢に、危機感を持って大胆な企画をしたもようです」(前出・信販会社関係者)
ネットショッピングモール三巨頭のクレジットカードがそろい踏みしたというわけだ。
情報収集して賢い消費をしたい。