1月9日(日)に、令和4年一月場所(初場所)は初日を迎える。横綱・白鵬のいない2022年大相撲が始まる。間垣親方(元横綱白鵬)が、その初場所を占う。題して「間垣の目」─。間垣親方が語る。
「照ノ富士関が優勝戦線を引っ張って行くのは間違いないですが、誰が照ノ富士を阻止するかです。貴景勝関、正代関の2人が1番手にならなければいけないのですが、自分的には、まだ正直物足りない所を感じます」
しからば、間垣親方が推すのは?
「間垣としては高安関を推します。現役時代に対戦して本当に強いと感じました。年齢的にもまだ31歳。まだまだ老け込む年ではありません。本人のやる気次第では元の大関はおろか、その上だって行けると見ています」
初場所の高安に大注目、なのであったが、1月4日、日本相撲協会は高安が所属する田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)と所属力士ら4人の新型コロナウイルス感染確認を発表。高安ら同部屋の力士14人は陽性や濃厚接触の可能性があるため、残念ながら休場となってしまった。高安には三月場所(春場所)での奮闘に期待したい。
一方、間垣親方がこの初場所で期待を込める力士には、宮城野部屋・雷鵬(らいほう)がいる。令和3年十一月(九州)場所では、東序ノ口16枚目で6勝1敗の好成績を収めた。
「年齢は24歳と新弟子にしては年嵩ですが、アマチュア時代の実績は輝かしいものがあります。体重は94キロとまだ少ないですが、うちには炎鵬という立派なお手本がいます。彼を見習って精進してほしいですね」。
雷鵬は、日体大時代に全国学生相撲個人体重別選手権・85キロ級で優勝した逸材。間垣親方自身がスカウトしている。
さて、こんな間垣親方の初場所の展望から始まる、同時進行相撲マンガ連載「白鵬本紀」第34番「両親へのプレゼント」は、1月4日発売の「週刊アサヒ芸能」1月13日号に掲載されており、物語は続いて、若き白鵬が2004年一月初場所を勝ち越した時の話が展開される。
白鵬は、国技館地下大広間において開かれた「新十両昇進パーティー」にモンゴルの両親を招待した。
「たかが新十両昇進パーティーで凄い人が集まってくれたな」と光法(こうぼう)が軽口をたたけば、祥子(しょうこ)さんこと相撲ライター・佐藤祥子氏は「それだけ期待されてるってことよね」と応じるのであった。
白鵬が語る。
「このパーティーにはモンゴル出身の関取衆が皆駆けつけてくれて、本当に盛大な昇進祝いになりました。何より、両親に親孝行のまねごとができたことがうれしかったです」
そして、もう一つの「両親へのプレゼント」は、新十両で初めてもらった給料。そっくりそのまま両親に渡す白鵬であった。金額は110万円。当時のモンゴルの物価からすれば、ありえない金額をプレゼントされて驚く両親─。その姿を見て、「十両の初給料で、こんなに喜んでくれるなら、あそこに掲げられる人になってそっくりそのままプレゼントしたら、どのくらい喜ばれるんだ」と、優勝額に誓う白鵬であった。
こんなエキサイティングな若き日の白鵬が、少年時代に相撲に目覚め、成長していくドラマが描かれている「白鵬本紀」第1巻「 英雄の子」と、第2巻「白鵬のいちばん長い日」が発売中だ。加えて、第1巻では、復活全勝優勝を果たした七月場所の真実、第2巻では引退記者会見で話題となった「横綱相撲とは?」の問いへの「横綱相撲」への思いも明らかにされている。