「自分のいた鳴戸部屋は、出稽古が原則禁止の部屋なので、部屋の先輩関取・若の里関を白鵬関と想定して、必死で稽古しました。白鵬関と対戦する時はいつも目一杯、いってましたね。珍しく上手くしのげた。よし、いけるぞと思った瞬間に、白鵬関に上手くしのがれる。その繰り返しでした」
自身の現役時代をこう回想するのは、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)である。続けて「なぜ、白鵬には張り手が出るのか」「64連勝を阻止した世紀の一番の秘話」が明かされることに…。
これは「週刊アサヒ芸能」で連載中の漫画「白鵬本紀」でのシーン(6月30日号)。発売中のこの号ではまた、2010年七月場所での、白鵬の「千代の富士超え」が描かれる。
大鵬の45連勝を抜き、連勝記録は47になっていた。次に立ちはだかる記録は、千代の富士の53連勝だ。「千代の富士超え」の相手は因縁の小結、稀勢の里。白鵬が振り返る。
「仕切っている時に、奇妙なフワフワ感がありました」
この大一番に、あえて「後の先」で立ち合う白鵬。稀勢の里の右からの強烈ないなしに足が揃い、たたらを踏む白鵬。そこへ稀勢の里の張り手が襲うが、果たして…。