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「近鉄から逆転日本一の立役者」巨人OBが槙原寛己に明かした“意外な心境”

 1989年の日本シリーズはまさに「劇的」だった。巨人が近鉄に3連敗。そして、第3戦に先発した近鉄の加藤哲郎氏がお立ち台に上がり、「フォアボールさえ出さなかったら打たれそうな気がしなかったんで…」「シーズンの方がよっぽどしんどかったですからね、相手も強いし」などと巨人を見下す発言をした。これに巨人ナインが奮起。第7戦までもつれ込み、逆転日本一を遂げたのだ。

 この逆転の転機となったのは、第4戦に先発で巨人のマウンドに上がった香田勲男氏。完封で1勝目をもぎ取ると、第7戦でも5回を投げて自責点3の好投で優秀選手賞を受賞したのだ。

 巨人三本柱として活躍した元プロ野球選手・槙原寛己氏のYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉に、その香田氏が出演(12月23日付け投稿回)。槙原氏から当時の心境を訊ねられると、「めっちゃ楽チンだったんです、気持ち的に」と意外な返答をしていた。

 というのも、この年に20勝で最多勝に輝いた斎藤雅樹氏が初戦で敗れ、続く桑田真澄氏、宮本和知氏でも勝ち星を拾えなかったという状況が関係していたそうだ。

「その3人投げて、ダメなのに、何でボクが勝てるんだ?でしょう?普通に考えたら?」

 香田氏は、槙原氏の同調を促すように、こんな、あっけらかんとした反応を見せたのだ。

「負けても、明日からオフだし、マキさん(槙原氏)、どっか連れてってくれるかな…」などと、冗談めいたことも口にした香田氏であった。

 ちなみに、この年、槙原氏は前半戦で12勝を挙げる活躍ながら、後半戦開始早々に右ひざを痛め、その後を棒に振っている。日本シリーズで槙原氏が先発していたら、香田氏の出番は無かったかもしれない。しかしながら、当時を知る巨人ファンにとって、香田氏が頼もしく見えていたことは間違いない。89年、日本シリーズの感動がよみがえる興味深い告白であった。

(ユーチューブライター・所ひで)

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