「ワインドアップ」とは、野球におけるピッチャーの投球動作の1種である。アニメ化もされた人気漫画「巨人の星」の星飛雄馬や、同じく「侍ジャイアンツ」の番場蛮の、「大きく振りかぶった」投球動作は格好よく印象的で、かつては「ワインドアップ」が主流で、ランナーを背負うと「セットポジション」に移行するスタイルが多かった。
しかし、昨今では、メジャーで活躍する大谷翔平、菊池雄星、ソフトバンクホークスの千賀晃大など、ランナーの有無に関わらず、「セットポジション」で投げるピッチャーが増えているようだ。
「セットポジション」と言えば、「巨人三本柱」で活躍、1994年には完全試合を達成した、槙原寛己氏。当時の先発ピッチャーでは珍しく、「どんな時でもセットポジション」のハシリであったかもしれない…。
その槙原氏が、みずからのYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉の、9月13日投稿回で、「セットポジション」を選んだ理由を振り返っている。
1つは、投球動作を少なくすることにより、球種のクセをバッターが読みにくくするため。もう1つは、例えば球種が4種類であれば、「ワインドアップ」「セットポジション」「クイック」と計12通りの投球練習をしなければならなくなるとのことで、その手間を省くため。そのためにも「セット推奨派」だと主張したのである。
さらには、「完全試合やった人で、歴代、アメリカも日本も含めて、セットポジションで投げたの、僕だけですもんね」と、少々得意げな表情も浮かべた槙原氏に、〈トークは思いっきり振りかぶっていますね〉といった洒落心のわかる視聴者のコメントも。
時代を先取りしていた槙原氏の興味深い話が拝聴できる、見ごたえのある回だった。
(ユーチューブライター・所ひで)