人気作家の有川浩の同名小説をドラマ化した「三匹のおっさん」(テレビ東京)の初回が1月17日、2時間スペシャルで放送され、平均視聴率11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をもぎ取った。
「とにかくびっくりしました。今年4月に開局50周年を迎え気合が入っているとはいえ、いきなりの2ケタスタートですからね。想定外の高数字に局内はお祭り騒ぎですよ。昨年4月期の平均視聴率でゴールデン帯7.0%を達成。2011年10月以降、各クールで前年同時期を上回る結果が続くなど右肩上がりを続けているんです。フジの大コケで数字が上がってきたんですけどね(笑)。とにかくここで根こそぎいただいちゃえと視聴率アップを狙ってるんです。第1弾が金曜8時の連続ドラマの復活。現代劇としては、00年7月期以来、13年ぶりになります」(テレ東関係者)
昨年10月、大人のドラマ第1弾として船越英一郎主演の「刑事吉永誠一 涙の事件簿」をスタート。神奈川県警の主人公の活躍を描く2時間ドラマとしておなじみで、大いに期待されての船出だった。初回(2時間スペシャル)は8.5%でスタート。裏の「家族の裏事情」(フジ)が、平均4.5%と低空飛行を続けたおかげで、まずまずの成績を収めた。製作は船越の所属するホリプロ。
今回ドラマ化された「三匹の──」もホリプロの製作。幼なじみの悪ガキ3人が結成した私設自警団が町内の悪をたたっ斬る平成の世直しドラマ。あの大ヒットドラマ「半沢直樹」と同じく主人公がスカッと胸のすく大活躍をするのがミソ。
演じるのはソフトバンクのお父さん犬を演じておなじみの北大路欣也。北大路は剣道の達人、泉谷しげるが柔道の達人、志賀廣太郎が電子機器で悪を懲らしめる。
「時代劇のような勧善懲悪で、それでいて漫画のような明るいノリもプラス。思わず口をついて出る本音トークが吹き出しのようになって画面に出て来たり、乱闘シーンもふんだんに取り入れてメリハリがあるし、シリアスとコミカルを使い分けてあちこちでクスッと笑わせたりするんです。最初反発していた孫と祖父が次第にお互いを尊敬しあい、変わっていくなど、熟年以上の世代にとってはうらやましくなる場面もちりばめられています。有川ファンにも好評です」(芸能ライター)
24日には「3匹の──」と同じ金曜日の枠で、フジでは、金曜ドラマ「天誅~闇の仕置き人~」がスタート。女忍者が現代にタイムスリップするドラマだが、前クール、TBSで今世紀最低視聴率3%を記録した連続ドラマ「夫のカノジョ」を制作したホリプロにとって、汚名返上のビッグチャンスとなるかどうか。