今週は東京で「根岸S」が行われる。過去5年で馬券になった15頭のうち、1、2番人気は3頭のみ。人気薄の台頭も十分ある。一方、京都の「シルクロードS」は、4連勝中のレディオブオペラにとって試金石の戦いとなる。
周知のとおり、GIフェブラリーSの前哨戦である根岸S。フルゲート(16頭)必至で、白熱したレースになること請け合いだ。
ただ、ここで勝ち負けしなくとも、本番の出走権を手中にしている賞金を稼いでいる馬は、余力残しの仕上げで臨んでくるはずだ。ここで賞金を加算しないことには出走を不動のものにできない馬に目をつけるのが、馬券的には筋だろう。
本番と舞台は同じだが、距離は1ハロン短い1400メートル。このへんも馬券のポイントとなるか。それと、この冬場。汗をかかない時期だけに、体調を維持させることはやさしくない。有力どころには休養明け、間隔を開けた馬も少なくなく、調教量、追い切りの動きに注意を払う必要がある。
いずれにせよ、顔ぶれを見ると、各馬に大きな開きはなさそうで、難解な一戦と言っていいだろう。
悩むところだが、最も期待を寄せてみたいのは、ブライトラインだ。2カ月レース間隔を開けたが、前走後、ここに目標を置いて調整してきただけに、仕上げに関して抜かりはない。力を出せる状態に達していると見ての狙いだ。
その前走はJCダート。前哨戦のみやこSを勝って勢いに乗ってはいたが、初の強豪相手のGI戦。さすがに家賃が高かった。それでも見せ場を作り、勝ったベルシャザールとはコンマ6秒差の4着。分が悪かったことを思うと、高く評価していい結果だった。
これで陣営は意を強くしたようで、ここに狙いを置いての調整ぶりは実に熱がこもっていた。短期放牧を挟み、みっちりと乗り込んできており、臨戦態勢はきっちり整っている。ならば実績がモノを言うはずだ。
1800メートル前後の距離に良績はあるものの、スピードある先行力を思うと、1400メートルは十分に守備範囲ではなかろうか。むしろ、条件が合わないと見て軽視されるようなら、穴党として好都合というものだ。
実際、ダート戦でもこの距離は1戦のみだが、あっさり逃げ切っている。そもそも芝を使われていた馬で、今回と同じ7ハロン戦のGIIIファルコンSを勝っているほどだ。大いに期待できるのではないだろうか。
あらためて指摘するまでもないが、本番は一線級が全力の構えで臨んでくる。母系(近親のサーガノヴェルは、クリスタルCなど短距離の重賞2勝)から判断しても本番より、ここが勝負のはず。中心視していい。
シルクロードSは、ハンデ戦。帯に短しタスキに長し──といった感じのメンバー構成。ここも簡単には決まるまい。目下4連勝と破竹の快進撃を続けるレディオブオペラが人気だろうが、今回は恐らく前走から2キロ増の55キロのハンデ。それに、逃げ、先行脚質。思いどおりの競馬ができるかどうか、疑問だ。
期待したいのは、プレイズエターナルだ。ここ目標にしっかりと乗り込まれ、重め感はない。今回は相性のよい京都が舞台。身上の強烈な末脚がモノを言いそうだ。
◆アサヒ芸能1/28発売(2/6号)より