盛夏の新潟。8月13日は関屋記念がメインとして行われる。フルゲート必至で顔ぶれがよく、文字どおりの熱戦が繰り広げられそうだ。
目下3連勝で、前走・中京記念で初重賞をモノにして意気上がるウインガニオン、昨年の覇者ヤングマンパワー、ここを照準に好仕上がりを見せるロードクエストなど、マイル戦を得意とする役者ぞろいの一戦。馬券的にも、おもしろい競馬と言っていいだろう。
06年に14番人気のカンファーベストが勝って大荒れとなったこともあったが、馬単が導入された02年以降のこれまでの15年間、その馬単で万馬券になったのは2回(馬連も2回)。この間、1番人気馬は5勝(2着4回)、2番人気馬は3勝(2着2回)。別定戦であり、そう波乱になることはない。人気どころに、たまに伏兵が連絡みするといった、比較的順当に収まるレースと見てよさそうだ。
出走頭数が多いこともあり、充実の5歳馬が最もよく連対している。そして、頭数のわりには上り調子の4歳馬の活躍が目立っており、目が離せない。
しかし、近年はイキのいい3歳馬の挑戦が多くなってきている。02年以降は、まだ連絡みはないものの、出走馬はいずれも善戦しており、軽視は断じて禁物だ。
今回、3歳馬はオールザゴー1頭のみ。穴党としてもこの馬を見逃すわけにはいかず、馬券はこの馬から入りたい。
重賞勝ちはなく、古馬とは初顔合わせ。楽な競馬は望めないが、それでも期待を寄せたいのは、素質のよさにある。
前走のNHKマイルCは、見せ場たっぷりの好内容。パドックでは落ち着きを欠いて、馬体もやや余裕残しだった。決していい状態ではなかったうえに、レースでは、もまれてスムーズさを欠くなど何度か不利を被ってもいる。それでいて5着なら評価していい。
今回はそれ以来3カ月ぶりの実戦になるが、早くからここを目標に短期放牧を挟んで、しっかりと調整されている。
「一回り成長したが、引き締まった好馬体。力を出せる状態にある」とは、厩舎関係者が口をそろえるところ。ならば、期待していい。
母も祖母も重賞勝ち馬で、エキサイティングストーリー(GIメトロポリタンH)など、近親に活躍馬が多い良血。53キロ(前走57キロ)で出走できるのも有利だ。ステイゴールド産駒らしく、強烈な末脚が武器。新潟のような直線の長い平坦コースは持ち味を生かすには持ってこい。この馬から大きく狙ってみたい。