映画界には常に「あれはもしかして本当に?」という噂がつきもの。そんな都市伝説を検証する。
男性の下腹部が充血により硬くなる現象をズバリ指す言葉を出して、「つい、○○しちゃった」
と、なんともチャーミングな笑顔で親しい映画記者に打ち明けたのは、08年に他界した名優・緒形拳(享年71)。公開当時で40歳という女盛りの十朱幸代と共演した「魚影の群れ」(83年、松竹富士)のことである。
常に「前張りはしない」と公言する緒形に対し、十朱もひるむ女優ではない。元夫婦という設定の2人が久々に出くわし、それこそ焼けぼっくいがメラメラと燃えるようなカラミ。初めてスクリーンにさらした十朱の巨大バストも話題になり、お互いが組んずほぐれつしているうちに「あわや!」の瞬間だったと緒形は打ち明けている。
名作「復讐するは我にあり」(79年、松竹)で緒形の父親を演じたのは三國連太郎(享年90)だ。こちらもまた女優に手加減しないことで知られ、別の作品では清純派の佐久間良子を襲うシーンに本気で臨んで物議を醸したことも。
三國は「復讐するは─」で、息子の嫁役である倍賞美津子との野天風呂シーンに。許されぬ関係でありながら、三國の手は倍賞の豊かなバストを背後からまさぐる。のちにアントニオ猪木との離婚のきっかけになった場面だが、それだけではない。
「倍賞も前張りしていないのをいいことに、三國は片方の手をスルリと“蜜壺”の中にすべらせたとささやかれました」(映画誌記者)
事実上の引退状態にある松尾嘉代は、83年に「鍵」(東映セントラルフィルム)に出演。岡田眞澄(享年70)とのベッドシーンが、撮影中から「ホンバンではないのか」と、映画関係者の間で話題になった。
実際、日本での公開はボカシが入りまくっており、翌年にグアムで“修正ナシ版”として公開された。フィルムを見た観光客らによれば、松尾と岡田の下腹部はもちろん、結合場面まではっきりと映っていたそうだが、双方の事務所は「吹き替え」を主張。日本で発売されたビデオも当然、ボカシが入った修正版だが、大ヒットを記録した。
真相は闇に葬られたままだが、松尾はこれ以降、活動を急激にセーブする事態となった。
映画評論家・秋本鉄次氏によれば、俳優の中には前張りを嫌がる者は多く、豊川悦司は「愛の流刑地」(07年、東宝)で、下腹部を「ブラブラさせたままスタジオ内を歩いていた」という。
「カラミを演じた寺島しのぶも前張りをするタイプではないため、自然とあらぬ噂は流れたんです」(秋本氏)
信じるか信じないかは、あなた次第!