主に西武ライオンズで活躍した石毛宏典氏は、ルーキーイヤーの1981年、遊撃手としてベストナインとゴールデングラブ賞に選出され、新人王も獲得。華々しいデビューを飾った。しかしながら、そんな石毛氏のシーズン1年目を振り返り、「下手くそ」呼ばわりした人物がいたそうだ。
石毛氏のYouTubeチャンネル「石毛宏典TV」で、1月22日に投稿された動画に出演した、広岡達朗氏がその人。広岡氏は、巨人V9時代の初期メンバーとして活躍。監督としては1978年にヤクルトスワローズを日本一に導き、西武では4年間のうち3度のリーグ優勝、2度の日本一に導いた名将の1人。
その広岡氏が西武の監督に就任したのは、石毛氏が新人王を獲った81年のシーズンオフだった。
その際、「お前が石毛か。下手くそが!」と会うなり一喝されたという石毛氏が、今回の動画で「あのとき監督はどういう狙いだったんですか? 本当に下手くそと思ってたんですかね?」と戸惑いながらも直々に気味に質問したのだ。
これに、「ボクらから見ると下手くそ。よくこれで新人王獲ったなと…。でも、西武では石毛。セ・リーグでは原だよ。最後に勝ったやつが勝ちだから、頑張れって言った記憶がある」と広岡氏。つまり81年、セ・リーグで新人王を獲ったのは巨人の原辰徳氏であり、今後もライバルと目されるスター選手に負けぬようにとの広岡氏の親心が、厳しい言葉となって石毛氏に向けられたようだ。
そのハッパが効いたのか、石毛氏はベストナインを計8回、ゴールデングラブ賞を10回受賞しており、複数部門に跨っての受賞回数は、いずれもパ・リーグ最多記録。あのとき広岡氏に鼻をへし折られてなければ、ここまでの成績は残せなかったかもしれない?
(ユーチューブライター・所ひで)