森祇晶氏。巨人、栄光のV9選手の1人だが、選手以上に監督としての名声が世間では知れ渡るところだろう。1986年に西武ライオンズの監督に就任するや1年目には早くも日本一に輝き、通算9年間で8度のリーグ優勝、6度の日本一といった優れた成績を残している。
ところで、この86年の日本シリーズ「西武-広島戦」は史上唯一の第8戦が開催された、もつれにもつれたシリーズだったのをご記憶にあるだろうか…?第1戦は引き分け、その後、広島が3連勝、西武は絶体絶命のピンチから4連勝で大逆転で日本一を決めているのだ。
当時、西武のチームリーダーを務めていた石毛宏典氏のYouTubeチャンネル〈石毛宏典TV〉で昨年10月31日に投稿された〈【不仲】清原和博入団1年目、1986年の話をします〉を観てみると、石毛氏は86年の日本シリーズをこう振り返った…。
「パ・リーグの覇者が1つも勝てないのカッコ悪いぜ。1つぐらい勝とうぜ」
3連敗後の東尾修氏のこの1言から西武ナインは開き直って第5戦に向かったという。この試合、「1対1」で延長を迎える接戦となったが、延長12回裏、ピッチャーである工藤公康氏のサヨナラヒットで勝利をおさめ、以降4連勝。工藤氏は最高殊勲選手にも選ばれている。また、この投稿回では、森監督は選手との関係性があまりうまくいっておらず、石毛氏をチームリーダーに起用、中間管理職のように選手とのパイプ役に使っていたといった事実も明かされた。
そのことから、〈もし1分4連敗で負けていたらおそらく森監督の求心力は低下は必定で87年も不信感の中での戦いでしたら成績次第で途中辞任もんだったと思います。〉といった視聴者のコメントも見受けられた。
工藤氏のサヨナラの1振りがなければ、森監督の黄金時代は到来しなかった可能性もある。森監督はそこのところどう思っているのか、本音をうかがってみたいものだ。
(ユーチューブライター・所ひで)