寒さのただ中で行われる今週のメインは東京新聞杯。マイル路線を歩む馬は粒ぞろいで、フルゲート必至だ。
この春にはGI安田記念が控えており、とにかく顔ぶれがいい。実績からそう大きく抜けた馬はいないものの、これから伸してくるであろう素質馬や期待馬が多く、とにかく目の離せない重要な一戦である。
皐月賞(10着)のあと、目下3連勝中のイルーシヴパンサーは、マイルというカテゴリーを問わず、今後の活躍が見込まれている。期待値においても最たる存在で、どんなパフォーマンスを演じてくれるのか興味は尽きない。
ほかにも古豪カラテ、カテドラル、昨年の牝馬クラシックで好走したファインルージュ、オープンで3連勝中のプリンスリターン、暮れの阪神カップで2着に好走したホウオウアマゾンなど、顔ぶれは多士済々。馬券的にも簡単には決まりそうにない、見応え満点の重賞と言っていい。
別定戦でありながら、難解なのはデータが示すところである。03年に馬単が導入されて以降、これまでの19年間、その馬単での万馬券は9回(馬連は6回)。この間、1番人気馬は3勝(2着2回)、2番人気馬は2勝(2着2回)。1、2番人気馬でのワンツー決着は2回のみで、波乱含みの重賞とみてよさそうだ。
年齢的には明け4歳馬の活躍が目立っており、8勝2着7回は他の世代を圧倒している。ノビシロのある4歳馬は、やはり一目置かねばなるまい。
といっても、古馬も負けてはいない。5歳馬は4勝(2着2回)、6歳馬は6勝(2着5回)。特に6歳馬は、この春までがピークなのだろう。出走頭数が少ないわりに、とにかくよく頑張っている。目が離せない存在だ。
あとは牝馬である。スピード、決め手の有無が問われるマイル戦は、牡馬との差はそう大きくなく、実績のある馬は断じて軽く見るべきではない。
いずれにしてもフルゲート必至で大混戦。なかなかつかみどころのない競馬で、難解極まりない。悩むところだが、穴党として最も期待を寄せてみたいのは、ハーメティキストだ。
短中距離で圧倒的な力を見せていたロードカナロア産駒にしては、奥手といっていい馬で、体質的な弱さから間を開けて使ってきたこともあり、ここにきて本格化してきた。それだけに6歳といっても、まだまだノビシロ十分だ。
前走、暮れのディセンバーSでは流れが不向きで6着に終わったが、道中で不利もあり、決して悪い内容ではなかった。しかも少し重め残りの状態(前走比プラス8キロ)。それでいて勝ち馬とコンマ5秒差なら、巻き返しがあっていい。
暮れから正月にかけて抜かりなく調整されており、1週前の追い切りは実にリズミカル。軽快な動きを披露していた。ならば期待していいのではないか。
強烈な末脚が身上で、直線の長い東京コースは持ってこい。マイル戦での実績はイマイチだが、心身ともにたくましくなった今ならマイルの舞台でこそ、本領を発揮するタイプではないだろうか。
休み明けを使われて3戦目。走り頃でもあり、混戦に断を下すのはこの馬とみたい。
一方のきさらぎ賞は、ショウナンマグマに期待だ。
前走の葉牡丹賞でも注目していたが、勝ち馬とは半馬身差の4着。しかし、やや重め残りの仕上がり(前走比プラス10キロ)で、勝ちにいっての結果。力が確かなのは明らかだ。
この中間は順調で芝2000メートルはピッタリ。勝負強い馬でもあり、勝ち負けになっていい。