今週は3日間開催。土曜日(9月18日)は平地の重賞はなく、日曜日(19日)に中京でローズS、月曜日(祝日、20日)は中山でセントライト記念がメインとして行われる。前者は秋華賞、後者は菊花賞のトライアルレースで、3着までに優先出走権が与えられる重要な一戦だ。
今年で75回を数えるセントライト記念は歴史ある重賞だが、近年ここで勝ち負けして菊花賞(芝3000メートル)も──という馬は少なくなってきている。来週、今年も中京で行われる神戸新聞杯のほうが、セントライト記念よりも距離が200メートル長い2400メートルで行われることで、より重きを置かれているからだ。
それでも15年の勝ち馬キタサンブラックが本番をモノにしたり、ナカヤマフェスタ(09年)やフェノーメノ(12年)など、その後もGI戦で勝ち負けした馬はおり、今後を見据えて目の離せない一戦であることは確かだ。
馬券的な傾向は、どうだろう。02年に馬単が導入されて以降、これまでの19年間、その馬単での万馬券は5回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は6勝(2着6回)、2番人気馬は3勝(2着4回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は6回。定量戦ということで比較的順当に収まっており、大きく荒れることは少ない。春のクラシック戦線で名を連ね、本番でも有力視される馬たちが出走してくるからだろう。
今年のダービーを使った組では、ヴィクティファルス、グラティアス、タイトルホルダー、タイムトゥヘヴン、クラシック戦線をにぎわした中からアサマノイタズラ、オーソクレース、ワールドリバイバルなどが参戦してくる。
他にも重賞で好走実績のあるノースブリッジ、ルペルカーリア、レッドヴェロシティ、そして俗に言う、上がり馬のソーヴァリアントなども争覇圏内とみられ、顔ぶれ多彩で馬券的にもかなりおもしろそうだ。
人気は弥生賞を制し、ダービー6着のタイトルホルダーと、ホープフルS2着のオーソクレースの2頭が分け合う形と思われるが、穴党として最も期待を寄せたいのは、カレンルシェルブルだ。
まだ2勝馬で有力どころに比べると格下だが、ここにきての成長ぶりが著しく、この夏の上がり馬的な存在。人気どころは休み明けが多いだけに、勢いに乗って足をすくうことは大いに可能とみての狙いだ。
それにしても前走(小倉芝2000メートル、1勝クラス)の勝ちっぷりはよかった。向こう正面過ぎからロングスパートをかけ、そのまま後続を寄せつけることなく、2着馬にコンマ5秒差をつける完勝。だからこそ陣営は「上(のクラス)でも‥‥」と意識し、強気でぶつけてきたわけだ。
この中間は順調そのもの。1週前追い切りも軽快で実にリズミカルだった。
「体重は変わらないが、筋肉がつき、全体的にたくましくなった。距離延びていい馬。なんとか菊花賞に向かわせたい」
と、厩舎スタッフが口をそろえるほどで、力を秘めていることは明らかだ。
父ハービンジャー、母の父ハーツクライ、そして母系は北米の一流血脈。血統的にみても長丁場は合いそうで、奥は深そう。速い時計での決着に対応できており、一発があっても不思議はない。
逆転候補は、ソーヴァリアントだ。こちらも目下連勝中の上がり馬で、前走の藻岩山特別(2勝クラス・札幌芝2000メートル)は、古馬を相手に2着馬にコンマ6秒差をつけるワンサイドゲームだった。
オルフェーヴル産駒で、いかにも本番向きという馬。中間はいたって順調で、好走必至とみている。