芸能生活10周年を迎える広瀬すずの5月公開の新作映画「流浪の月」の“中身”が早くも話題になっている。赤裸々な原作を凌ぐすずの「DV性暴行」衝撃シーンが注目されているのだが、「流浪の月」を撮ったのは李相日監督。
李監督は、すずの壮絶なハードシーンを約6年前にも撮っている。その作品「怒り」(16年/東宝)のオーディションで、女子高生・小宮山泉役を勝ち取ったすずは、厳しいことで知られる李監督のもと、千本ノックを受ける気持ちで現場に入ったが、想像以上に過酷だったようだ。
「共演者は渡辺謙、森山未來、妻夫木聡、松山ケンイチ、宮崎あおいら、主演級の実力者ばかり。そんな中、初日からカメラを回してもらえず、役の感情を理解するまでリハーサルが続き、毎日ボロクソに言われたそうです」(映画ライター)
昨年11月に出演したドキュメンタリー番組「情熱大陸」(TBS系)の中でも、「怒り」での李監督とのエピソードに触れ、ラストシーンを撮影した際、
「誰もいないところに呼ばれて、すごい冷静なトーンで『この映画、壊す気?』って言われて」
と明かし、「もはや悔しいというより恐怖でした」と振り返り、笑っていた。
愛情溢れるスパルタ指導で急成長したすずは「怒り」の中で壮絶な「性暴行される」シーンに挑戦し、一皮むけた演技で評価を上げる。
沖縄の離島で暮らす女子高生・泉が本島に出かけた日の夜、人気のない公園で2人の米兵に襲われてしまう。ブランコの近くで力ずくで押し倒されると、1人の男が後ろから羽交い絞めにして口を手で押さえ、もう1人の男がスカートをまくり上げ、冷笑を浮かべながら「挿入」されてしまうのだ。
「かなりリアルに描かれ、涙を流しながら屈辱に耐える迫真の演技力に圧倒されました」(秋本氏)
スクリーンで思わず息を呑んだ観客も多かったことだろう。「流浪の月」では、それを凌ぐ形で描かれているという。
クライマックスの「キャミソール姿での性暴行」場面は、これまでの元気いっぱいのすずのイメージを一変させられるようなシーンだ。
恋人の亮に不信感を抱いて関係が悪化し、気持ちが離れていたタイミングでのこと。同居中の自宅で亮が豹変し、更紗は顔を殴られ、横っ腹や腰、太腿を蹴られ続け性暴行されたまま‥‥。
〈半袖のシャツの裾から亮くんの手が入ってきて、キャミソールもめくりあげて直接肌に触れてくる。全身に鳥肌が立つ。やめて、とようやくかすれた声が出た。
(中略)わたしの意志とは関係なく行為が進んでいく〉
朦朧としていた意識が戻ってくると、覆いかぶさっている亮の頭に花瓶を叩きつけ、マンションから走って逃げ出し、乱れた衣服を直すのだった。
「怒り」の公開から6年後、DV男から性暴行されるシーンをすずがどんな演技で表現するのか。映画関係者や原作ファンが熱く注目しているのである。