本人もおよそ予期していなかったであろう「地獄」を味わっているのは、チャンピオンシップ(イングランド2部)のルートン・タウンFCに所属するサッカー日本代表のDF橋岡大樹だ。
浦和レッズで頭角を現し、2021年1月にシント=トロイデン(ベルギー)に加入。2024年1月には、プレミアリーグに所属するルートン・タウンに移籍した。
ここまでトントン拍子で世界最高峰の舞台にたどりついたが、トップレベルの壁はぶ厚く、クラブも降格圏が定位置のまま、あえなく2部に出戻りとなった。
今シーズンは1年でのプレミア復帰を目指す戦いになったが、開幕戦から第4節まで1分3敗と、スタートダッシュに失敗。それ以降も波に乗れず、第29節を終えた時点で降格圏の23位(24チーム中)と、まさかのドン底を味わっていた。
「プレミアに所属していたクラブが、真っ逆さまに3部まで落ちれば、屈辱でしかありません。1月9日にはプレミア初昇格の立役者であるロブ・エドワーズ監督をクビにしましたが、劇薬になるような打開策はなし。橋岡は開幕からケガの影響で出遅れ、これまで出場したのは16試合のみです。持ち味の積極的な仕掛けからクロスでチャンスを演出したいところですが、アシストはゼロと、苦しい結果ですね」(サッカーライター)
3部降格が現実のものとなれば、日本代表のメンバー入りから大きく後れを取るのは間違いない。
そこで急浮上しているのが、古巣・浦和レッズへの電撃復帰プランだ。先のサッカーライターが事情を明かす。
「浦和に所属するパリ五輪代表のDF大畑歩夢が、ベルギーで海外挑戦することが濃厚です。シーズンオフには同じ左サイドバックに、クロアチア1部ディナモ・ザグレブからDF荻原拓也を呼び戻していますが、サイドバックの駒は不足気味。橋岡ならば両サイドバックだけでなく、補強が進んでいないセンターバックの穴埋めもできる。浦和の中で待望論が盛り上がっていると聞きました」
覇権奪回を目指す浦和にとって、ラストピースの朗報は届くのか。そして橋岡の決断は…。
(風吹啓太)