あまりにも壮絶すぎて、ページをめくる手が止まってしまった…そんな読者が多数いたのではなかろうか。
1月29日に発売されたフジテレビの元アナウンサー、渡邊渚のエッセイ「透明を満たす」は、5万字を超える書き下ろし。新たなスタートを切った彼女の決意を感じる一冊だ。中でもPTSDによる療養生活を赤裸々に綴ったパートは衝撃的、心を揺さぶられる内容である。
2023年6月に体調不良を訴え、7月から休養。昨年8月23日にフジテレビを通じて「病気のためお休みしておりましたが、この度、退社する決断を致しました」と報告し、フリーに転身した。
休養期間中は病名を明かさない渡邊アナに対し、一部のファンから心ないコメントが寄せられた。復帰後すぐにグラビア活動や公式メンバーシップを始めたことで、詐病を疑う声まで上がった。
なぜPTSDになったのか、なぜフジテレビを退社することになったのか…。嘘偽りない言葉での告白がたちまちベストセラーになったのは、そんなファンの興味を大いにそそるからだろう。街中の書店では目立つ場所に平積みされ、Amazonでも売れ筋ランキングで1位になっている。
Amazonのカスタマーレビューを見てみると「星5つ」が74%と、かなりの高評価。ところがなぜか16%の人が「星1つ」の評価を下しているのが気になるところだ。実際にレビューを見てみると…。
「私はあまり好きではないです。自分を表現することは大事ですが、それ以前に注意するべき点があるかと思います」
「PTSDで今も治療しています。一体どうしたらそんなに早く元気になって人前に出られるようになるのかな」
「努力すれば治るというような主張は、同じ症状に苦しむ人々に誤解を与えかねない」
このように、かなり辛辣な言葉が並んでいるのだ。どうやら人によってPTSDに対する認識のズレがあり、そのことが低評価に繋がったと思われる。
人それぞれ感想が異なるのは当然だが、病気療養中に多数の批判的な声を投げかけられた経緯を考えるに、厳しい評価を下す人が出てくるのは仕方がないのだろうか。
これらはあくまで参考材料だが、自分の目で確認してみるのもいいだろう。
(ケン高田)