芸能

テレビ界「ヤラセ番組37年」全暴露〈「出演者仕込み屋」が告白〉素人男女を育成して「自然体のカップル」を量産

「愛する二人別れる二人」が打ち切りとなったのは99年。同時代の90年代半ばから2000年代の途中まで「出演者仕込み屋」と称される達人女性が存在した。自戒を込めて、懺悔告白をしてもらおう。

 あの頃は大らかな時代だった。「ヤラセ」ではなく「作り」と呼んでたわよ。

 本来は外部のリサーチャーが受ける仕事だけど、予算がないと“ヨゴレ仕事”は全部、アタシたちADやAPに回ってきたの。

 そもそも収録の1週間ぐらい前に「互いに浮気し合っているカップル」「何股もかけている男性」「年をサバ呼んでた」「離婚歴を隠してた」とか、いくつか発注があるんだけど、2~3日で都合よく見つかると思う?もちろん、純粋に探してた時期もあるけど、やっと見つけたカップルがそんな面白いエピソードを持ってるはずないでしょう。とはいえ、素人を出演させるまでにはディレクター(以下、D)の面談というハードルもあった。仕込むといっても、あからさまなウソ芝居のカップルを出してもうまくいかないのよ。だから途中から、素人出演者を指導して育成することにしたの。

 若い俳優やタレント、アーティストなんかに知り合いがいたから、彼らに会いたいかって、ミーハーな女の子たちをホームパーティーに呼ぶの。別の男性陣も呼んで、まあ、5~6人で合コンよ。楽しく飲んでもらって、なんとなく気の合う2人が見えてきたら、「あんたたち、付き合っちゃえば」って。リアリティーを持たせるために、実際に男女を交際させるところまで持っていくよう目指したわ。それでメンバーを少しずつ入れ替えながら、2~3日に一度、同じ部屋で繰り返し合コンするのよ。そうすると、ほぼ生活を共にする男女たちはそれぞれの趣味や癖、エピソードを互いに共有するようになる。実際に付き合ったり、別れたりするカップルもいるから、もはや他人ではなく、ボロの出ない自然体の関係が出来上がってくるの。

「あなたたち2人で番組に出ようよ」って持ちかける頃には、みんな仲間だから、たった1万円の安いギャラでも出てくれたし、ご飯食べさせただけでギャラはいらないって子もいた。男には役者の卵もたくさんいて「役者の仕事として」って簡単に引き受けてくれたし、今では売れっ子になっちゃってるのもいるわ。

 ただ、バレそうになったことはある。極端に年齢差があるカップルの設定だったんだけど、年齢を聞かれた男が「わかりません」って‥‥。たまたま出演していたタレントさんが「緊張してド忘れしたのかな」って、フォローしてくれたからよかったけど。

 収録後の“反省会”も楽しかったな。「あのタレントのツッコミに冷や冷やした」とか「あの時の泣きはプロ以上だね」なんて。それを聞きながら“ネクストバッターズサークル”に立ってる状態の別カップルが「もっと盛り上げてくるぞ」なんて誓ってるの(笑)。

 当時、複数の番組を担当してたけど、どの現場でも、他人を演じてる素人が収録に参加してるって実態を知ってたのは、スタッフが10人いたとして、プロデューサーと放送作家、私たちぐらいで、せいぜい3~4人。Dは知らない体だった。現場監督が把握してるとテンションが下がっちゃうし、ましてやタレントに知られたらってことでね。でも、収録前にDが素人の耳元で「派手にやっちゃっていいから」なんてささやくことも日常で、実情を知らないわけはなかった。結局、問題が起こったら知らぬ存ぜぬで、トカゲの尻尾切りしようっていうのが見え見えだったわ。「愛する二人」と一緒ね。だけどアタシも、視聴者の皆さんをダマしちゃっててごめんなさいね。

カテゴリー: 芸能   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    なぜここまで差がついた!? V6・井ノ原快彦がTOKIO・国分太一に下剋上!

    33788

    昨年末のスポーツニュース番組「すぽると!」(フジテレビ系)降板に続いて、朝の情報番組「いっぷく!」(TBS系)も打ち切り決定となったTOKIOの国分太一。今月30日からは同枠で「白熱ライブ ビビット」の総合司会を務めることになり、心機一転再…

    カテゴリー: 芸能|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<寒暖差アレルギー>花粉症との違いは?自律神経の乱れが原因

    332686

    風邪でもないのに、くしゃみ、鼻水が出る‥‥それは花粉症ではなく「寒暖差アレルギー」かもしれない。これは約7度以上の気温差が刺激となって引き起こされるアレルギー症状。「アレルギー」の名は付くが、花粉やハウスダスト、食品など特定のアレルゲンが引…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<花粉症>効果が出るのは1~2週間後 早めにステロイド点鼻薬を!

    332096

    花粉の季節が近づいてきた。今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国的に要注意レベルとなることが予測されている。「花粉症」は、花粉の飛散が本格的に始まる前に対策を打ち、症状の緩和に努めることがポイントだ。というのも、薬の効果が出始めるまでには一定…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
上原浩治の言う通りだった!「佐々木朗希メジャーではダメ」な大荒れ投球と降板後の態度
2
巨人・坂本勇人「2億4000万円申告漏れ」発覚で「もう代役・中山礼都の成長に期待するしかない」
3
フジテレビ第三者委員会の「ヒアリングを拒否」した「中居正広と懇意のタレントU氏」の素性
4
3連覇どころかまさかのJ2転落が!ヴィッセル神戸の「目玉補強失敗」悲しい舞台裏
5
巨人「甲斐拓也にあって大城卓三にないもの」高木豊がズバリ指摘した「投手へのリアクション」