芸能生活10周年を迎える広瀬すずの新作映画の“中身”が早くも話題になっている。約6年前に壮絶なハードシーンを撮った監督と再タッグを結成し、今また赤裸々な原作を凌ぐ「DV性暴行をされる」衝撃シーンが注目されているのだ。本格派艶技を開眼せさた問題シーンの全容を先取り初公開する─。
コロナ禍で新作映画の公開スケジュールが、なかなか決まらない中、広瀬すずと松坂桃李がW主演を務める映画「流浪の月」(ギャガ)の全国ロードショーが5月に決定。それに合わせて、デジタルポスターも解禁された。
映画の予告動画や詳細なシナリオはまだ明らかにされていないが、原作となった凪良ゆう氏の同タイトルの小説には、こんな思わせぶりな場面が描かれている。
〈お風呂上がり、髪を乾かしていると亮くんがやってきた。濡れている髪にキスをされ、そういう空気を察してドライヤーを切った。亮くんに手を引かれて寝室へと歩いていく。
(中略)暗闇の中で、パジャマのボタンを外されていく。いつもここで反射的な嫌悪が生まれる。亮くんのせいじゃない。いつものことなのだ〉
原作において、すずが演じる主人公・家内更紗の心情を表す重要な場面のひとつで、映画でもベッドシーンが用意されていても不思議ではないだろう。映画評論家の秋本鉄次氏も、今年で芸能生活10周年を迎える節目の作品に期待を寄せる。
「デビュー以降、出演作を重ねて着実に成長してきました。アラサー世代では二階堂ふみが作品に必要だったら脱ぐことを厭わず、天衣無縫に活躍しています」
秋本氏によれば、広瀬も大女優を目指す上では「渡らなければいけない川」があり、「性描写の描かれた作品を選んだ」以上は、ベッドシーンは「避けて通れません」とのことだ。
「女優の覚悟や気持ちが問われる作品になるでしょう」(秋本氏)
この先、代表作になるかもしれない主演作の物語は、10歳の時に誘拐事件の「被害女児」となり、報道やネットで広く世間に名前が知れることになった更紗と、その事件の「加害者」とされる当時19歳の青年・佐伯文(松坂)の15年後の再会が描かれる。そのほかにも、更紗の現在の恋人・亮役を横浜流星が務め、心に傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみ役に多部未華子という豪華な顔ぶれとなっている。顔ぶれだけを見ると若者に人気の俳優を揃えただけに思えるが、この作品は20年の「本屋大賞」に選ばれるなど、プロの本読みでもアッと驚く展開が待ち構える本格作なのだ。
そんな話題作の監督と脚本を手掛けるのは、映画「フラガール」(06年/シネカノン)、「悪人」(10年/東宝)、「怒り」(16年/東宝)など、骨太の作品で知られる李相日監督。「怒り」で一緒に仕事をして以来、6年ぶりのタッグに、すずは撮影前の心境をこう明かしている。
「『この役の気持ちを知ってると思って』と監督に言われたその日から私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています。私の少しの変化を、誰よりも早く細かく気付かれてしまいます。だからこそ、監督の前では絶対嘘がつけないしちょっとでも誤魔化そうとするもんなら…想像するだけで…今、監督の前でお芝居するのが怖いです」
「鬼軍曹」との久しぶりの再会で、本格派艶技に開眼しようとしていることの告白だった。