プロ野球ファンの有名人は数多いが、これほど「ドラゴンズ愛」が強い人はいないのではないか。
大の中日ファンだった父親の影響で幼少期から中日を応援しているのは、ロックバンド「サカナクション」のボーカル・山口一郎だ。そのドラゴンズ愛はかなりのもので、2022年にはナゴヤ球場のライトフェンスに、自腹で「サカナクション」の広告を掲出。昨年4月には、尊敬しているという立浪和義監督と同じ背番号73のユニフォームを着用し、バンテリンドームで始球式を行うなど、ファンだけでなく選手の間でもおなじみになっている。
2022年7月に体調不良で休養し、一時はベッドから一歩も動けない状態が続いた際には、全てのことに興味を失ったと言いつつも「ドラゴンズだけはむしろ熱くなった。僕はドラゴンズに助けられたんです」と、唯一の救いが中日の存在だったと語っている。
そんな山口が1月28日に生ライブを配信。「おい、ちょっと待てよドラゴンズ!」と突然、怒りの声を上げたのだから、さぞやファンは驚いたことだろう。
山口は「サカナクションやってよ!こちとら育成選手含めて全員の選手の名前言えるんだよ!半分以上の出身大学や高校も言えるよ!」とまくし立てると「ドラゴンズ、そういうところよ!」と声を荒らげたのだ。
山口が怒るのにはもちろん、理由がある。ロックバンド「L’Arc~en~Ciel」のドラマー・yukihiroが、中日のマスコット・ドアラとのコラボグッズを発表したのだ。3000円で販売されている「ドアラルクあんしんスクエアポーチ」は、yukihiroとドアラのイラストがプリントされており、yukihiroの誕生日「1124」とドアラのデビュー年「1994」の数字も。中日に身も心も捧げてきた山口にしてみれば「そりゃないよ」という気持ちでいっぱいだったというわけだ。
もともとyukihiroは大のドアラ好きで、これまでにも「ドアラルクチョコレート」というチョコレートをツアーグッズとして販売したり、コラボカレンダー「ドアラルクカレンダー」を製作したこともある。無論、山口もそのことは承知済みだが、「まずは俺に声をかけてくれ」ということだろう。
確かに20代から30代のファンが中心のサカナクションよりも、50代を中心とした中高年ファンが多いラルクの方が、野球との親和性は高そうではあるが…。
昨年12月25日には「青いサンタクロース」の衣装に身を包み、「サンタさん、どうか中日ドラゴンズに新しい外国人ストッパーをください」と訴えた山口。ライデル・マルティネスを巨人、コラボグッズをラルクに奪われてしまっては、怒りの声を上げたくもなるだろう。
(ケン高田)