プロボクシングのバンタム級とスーパーバンタム級の元日本チャンピオン、高橋ナオト氏といえば、1986年に開催された「A級ボクサー賞金トーナメント」優勝とMVPを獲得。生涯戦績は19勝(14KO)4敗だが、その試合ぶりから「逆転の貴公子」とも称され、1989年から連載中の人気ボクシング漫画「はじめの一歩」に登場する主人公のライバル、宮田一郎のモデルになったとされる人物である。
その高橋氏が、元プロボクシング・世界チャンピオンの3氏が手を組んだ、YouTubeチャンネル〈渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 公式チャンネル〉の、2月3日付け投稿回に出演。世界(王者)を獲ることができなかった意外な理由を明かした。
時代もあるのだろうか。当時、高橋氏が所属していたボクシングジムの会長は、高橋氏の訴えも虚しく、「甘ったれんな!」と練習場にストーブも入れてはくれず、真冬でも窓を開け放って練習するといった状況で、汗をかくことが難しく、減量に苦しい過酷な環境だったようだ。
また、渡嘉敷氏いわく、試合後は数日の休養を入れるのが通常のところ、高橋氏のジムは翌日から練習を強制していたそうだ。
「そういうジムだから、ナオトさんは世界行けたのに行けなかったのかもわからないですね…」との竹原氏に、高橋氏は、
「途中で負けちゃったってことは、その時点で弱かったんで、別に世界戦をできなかったことを悔やんでるってことはないですね」
そう清々しく口にしたのであったが、一方で、「ジムにストーブがあれば、オレ世界獲れた自信ある!」とも冗談めかして語り、渡嘉敷氏ら3氏の笑いを誘ったのだった。
元世界王者の3氏を前に時折ユーモラスな語り口で展開された元日本チャンピオンの興味深い裏話。同チャンネルでは、このような“隠れた逸材”とのトークを今後も期待したいものだ。
(ユーチューブライター・所ひで)