京都記念に出走したジェンティルドンナの鞍上が岩田騎手から福永騎手に替わったように、トップ騎手でさえ、お手馬を奪われてしまうのが競馬の世界。ましてや外国人騎手の活躍が目立つ今、乗り替わりで成績急落、なんてことも多々ある。そんな“本当は崖っぷち”のジョッキーたちの舞台裏を明かす。
今年のリーディングでは7位につけているものの(2月2日現在、以下同)、好調時は20%を超えていた勝率が11%にまで落ち込んでいるのが内田博幸騎手(43)。やはり昨秋、ゴールドシップとのコンビで挑んだジャパンC15着大敗が尾を引いているのか。
「久々だったとはいえ、京都大賞典では、単勝1.2倍の1番人気を裏切って5着。ジャパンC前には『ゴールドシップの乗り方がわからなくなった』と、相当落ち込んでいましたね。あの安藤勝己さんが『オレでも乗りたくない』と言うほど、乗り難しい馬みたいですが、この時の凡走で凱旋門賞挑戦が白紙。一部では『シップは終わった』と見る向きもありましたが、鞍上がムーアに替わった有馬記念では3着と結果を残しました」(スポーツ紙記者)
ウチパクを襲った“ジャパンCの悲劇”は、ゴールドシップだけではない。それまで主戦を務めていたデニムアンドルビーもJCに出走した。オークス、秋華賞と1番人気を背負い、3、4着。エリザベス女王杯では3番人気5着と、GIではいずれも人気より下の着順に終わっていたが──。
「内田騎手がゴールドシップに乗るため、代打的に浜中俊騎手(25)が騎乗したのですが、後方から最速の上がり脚を使ってハナ差の2着。7番人気だったことを思うと、浜中騎手のファインプレーでした。この馬は3月末にドバイ遠征することが先日、正式に発表されたのですが、オーナーサイドの希望もあり、引き続き浜中騎手が騎乗します。内田騎手は完全にツキに見放されている感じですね」(前出・スポーツ紙記者)
GI級のお手馬2頭を手放した内田騎手。今年はまだ始まったばかりだが、重賞レースに6回騎乗し、全て4着以下に敗れている。
「ウチパクは競馬のことしか知らず、悪く言えば世間知らず。遊んでた、なんて噂も聞かない。気持ちの切り替えが下手なんだろうな。このまま終わる人間じゃないけど、今年GIを狙える看板馬がいないのも確かだな」(専門紙記者)
重賞での成績がいまひとつなのは、川田将雅騎手(28)も同じだ。
「目上の人でも媚びない性格が裏目に出ることもあります。調教師や馬主に一番手と見られず、重賞級の馬があまり回ってこないんです。話し方もキツいので、後輩から少し距離を置かれていますしね。人当たりがよく、金払いもいい同期の藤岡佑介騎手(27)とは正反対です」(栗東関係者)
昨年12月、阪神JFのハープスター、朝日杯FSのアトムと、2週連続で1番人気を裏切ったように、重賞での“勝負弱さ”も心配されるところだ。
「昨年、50回以上重賞に騎乗した騎手が9人いるんですけど、川田騎手は最下位の3勝でした。リーディングこそ120勝で2位を獲得しましたが、重賞で勝てないとなるとね‥‥」(前出・栗東関係者)
外国人にお手馬を奪われないよう、まずは重賞で結果を残すことが大事だ。