東京マラソンが3月6日に開催され、女子1万メートル日本記録保持者・新谷仁美(積水化学)が日本人2位、全体7位につく健闘を見せた。
およそ13年ぶりのフルマラソンとなった新谷は、自己ベストを大幅に更新する2時間21分17秒と好走を見せるも、その表情は複雑なものに。レース後、やはり本職であるトラック競技での活動に意欲を示すと、その理由について「(マラソンは)単純にキツイから」とし、「マラソンは生きる上で必要ないと思った。走ること自体必要ないし、遅刻の時だけ走れば十分」「2時間以上も走る必要があるのかなと考えた時に『ないわな』って。なんなら15分、30分も必要ないけど、そっちのほうがいいかなと思った」などと“新谷節”全開で語った。
また、今回の結果により、2024年パリ五輪の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権を確保したが、新谷は「もう2度と走りたくない。何が楽しいのか本当にわからなくて。(昨年)12月からマラソントレーニングをしたけど、ここまで、よくみんな好きでマラソンやっているなって思いながら走っていた」と苦笑。他にも、「何度も挑戦したけど、マラソンの魅力がわからないし、走る人の気持ちが理解できないし、この1回でもうイヤ」「ハーフマラソンは5000メートルや1万メートルにつながると感じたけど、マラソンは何一つつながらない。何度も走ってる人は何で挑戦しているのか」とも口にしていた。
「かねてより、歯に衣着せぬ発言でファンを楽しませてきた新谷。過去には、バラエティ番組内で『世界陸上は婚活が理由で出ました。テレビに顔が映るように、2位で走っていた時は1位の選手の横にズレて走っていました』『金メダルよりも彼氏が欲しい』などと話したこともあります。また、3月4日のレース前会見でも『42.195キロの間に新しい恋人を見つけられるように頑張りたい』と語っており、これについてはレース後に『いなかったです。いなかったので、また新しい恋人を探しに旅に出ようかと思います』と笑っていました。周囲からのサポートに対しては感謝の想いを述べつつ、一連の新谷らしいコメントの数々には、ネットからも『この人の発言は面白い』『走りも、キャラクターも応援してます!』『13年ぶりのマラソンとは考えられないくらい良かったやん』『実に素直でその通りだと思う』『十分すぎるタイムを出しながら、自分には合わないと言ってしまう潔さ』などと好意的に解釈する声が多かったです」(テレビ誌ライター)
とはいえ、やはり異論もあった。例を挙げれば、「この発言は非常にトゲがあるし、他の言い方ができなかったかなと思います」として疑問を抱く人もおり、「マラソンに命をかけて取り組んでいる人もいますから、あまりこういう事は言わない方がいい」「彼女なりにマラソンを尊重している発言なんだろうけど、あまりにも表現が攻撃的で下手すぎる。反感持つ人もいると思うよ」といったものだ。
ともあれ、今後も好成績をともなってこそ冴えるであろう“新谷節”の炸裂ぶりに注目が集まりそうだ。
(木村慎吾)=写真はイメージ=