成人男性の4人に1人が悩む薄毛問題。そうした中、意外な食材が「ハゲの救世主」として浮上し、注目されているのだ。
近畿大学の医療薬学科公衆衛生学研究室と毛髪クリニック「リーブ21」の共同研究で、毛髪効果が期待できると発表されたのがブロッコリースプラウト。いわゆる新芽のことで、ちまたではスーパーなどでも200円前後で売られており、実際にサラダなどで食べたことがある人も少なくないだろう。
最近では、免疫力がアップする食材として、インフルエンザ予防や花粉症にも効果があるとされ、品薄になったのも記憶に新しい。ましてや、薄毛対策にもなるとなれば、一石二鳥どころか「オヤジの頼もしきパートナー」として、ガゼンその効果が気になるばかりだ。研究に当たっている近畿大学薬学部の川崎直人教授が解説する。
「これまで、動植物由来成分300種を対象に、発毛効果のあるものを探し出した結果、増殖活性が最も上昇したのがブロッコリースプラウトでした。発毛は、毛根の底の部分にある毛乳頭細胞が“発毛シグナル”を毛母細胞に送ることで、毛母細胞が分裂し、発毛する仕組みになっています。実験では、ヒトの毛母細胞へブロッコリースプラウト抽出エキスを添加。すると3日間の培養で、毛乳頭細胞が約1.8倍に増殖しただけでなく、毛髪の成長期を誘導する血管内皮増殖因子『VEGF』と、毛髪の伸長期間に毛乳頭が分泌することが知られている骨形成タンパク質『BMP4』の2つの遺伝子発現量が上昇。抽出エキスを添加後、1日間の培養で約1.4倍になったんです」
つまり、ブロッコリースプラウトのエキスが毛母細胞を活性化させ、発毛を促進させる効果があることが実証されたというのである。となると、一刻も早い商品化が待たれるわけだが‥‥。
「商品化については、育毛剤やシャンプーへの配合を視野に入れています。できるだけ早く期待に応えたいと考えていますが、脱毛は生活習慣や体質遺伝、老化、ストレスなどの多くの要因が関連し合って引き起こされますので、“薄毛の万能薬”というよりも、何らかの原因により『VEGF』や『BMP4』といった発毛シグナルが弱くなった人に有効だと考えています。ただし、毛根の中に毛乳頭細胞がなくなっている方に関しては、ブロッコリースプラウトによる発毛の可能性は低いでしょうね」(前出・川崎教授)
では、この発毛シグナルが弱くなっているか否かを見分ける方法はあるのか。
「脱毛症には、男性型脱毛症(AGA)、脂漏性脱毛症、円形脱毛症など多くの種類がありますが、最も多いのはAGAです。年齢、性別や季節でも変わりますが、ヘアサイクルが正常な方でも1日100本は抜けると言われています。健康な抜け毛は毛根部分がキレイに丸く膨らんでいます。もし、細い抜け毛が多くなった場合には、毛乳頭細胞からのシグナルが弱かったり、正常に機能していないことも一つの原因になっているかもしれません」(前出・川崎教授)
実際、薄毛に悩む諸兄にとっては、夢の育毛剤の開発は悲願と言っていい。
「ハゲキッス」でおなじみの芸人・ユリオカ超特Qも、この発見に興味津々の様子。
「正直、すぐにでもブロッコリースプラウトの発毛剤が欲しいぐらいです。僕もですが、育毛剤やシャンプーなどに月数万円もかけている薄毛の方って結構いるんですよ。ブロッコリースプラウトが安くて効果がある育毛剤になってくれるのではないかと‥‥。やはり、皆さん家庭があって、育毛よりも育児にお金は回したいものですからね」
頭皮にも家計にも優しいブロッコリースプラウト育毛剤が登場すれば、オヤジの悩みも一挙解決するに違いない。